Journal of Okayama Medical Association
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数種の海産動物から抽出した細胞分裂調節物質に関する研究

Nakarai, Akihide
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Abstract
マナマコ,マダコ,ムラサキイガイ,サザエからcornin抽出法,硫安分画法及びアルコール分画法に従って細胞分裂抑制物質の抽出を試みた。分裂細胞としては,ウニの受精卵,in vitroの実験にはHeLa細胞,CHL細胞及び,HE12TMR細胞の培養細胞,in vivoの実験にはEhrlich腹水ガン細胞をddN系マウスに移殖して用いた。1. ナマコから抽出したcorninは培養細胞の増殖を0.1%の濃度で完全に阻害する。そしてこの作用は非透析性分画にある。しかしEhrlich腹水ガン細胞の増殖には効果は少ない。2. タコーcorninは培養細胞に対しては,0.5%の濃度で分裂抑制作用を示すが, Ehrlich腹水ガン細胞の増殖は反って促進させる。3. イガイから抽出したcorninはウニの受精卵の分裂は10-4g/ml以上の濃度で,遅延効果が現れる。培養細胞に対しては,0.1%の濃度で分裂を阻害する。そしてその有効成分は非透析性分画にある。しかしEhrlich腹水ガン細胞の増殖には影響がない。イガイから硫安分画法で得た分画は,イガイのcorninと似た効果を示した。イガイからアルコール分画法で得た分画は,Ehrlichガン細胞の増殖を抑制する。1日20mg連続5日腹腔内注射により,完全治癒の例がみられた。この作用は熱処理することにより失活した。4. サザエから得たcornin分画,アルコール分画共に培養細胞の増殖は,0.5%の濃度で阻害する。しかし,Ehrlich腹水ガン細胞の増殖に対しては対照と差がない。5. 4種の海産動物から抽出した分裂抑制因子は260mμあたりに,吸収の極大を示し,非透析性である。
ISSN
0030-1558
NCID
AN00032489