Studies in Cultural Symbiotics
Published by Graduate School of Humanities and Social Sciences, Okayama University

歴史における武力の諸形態とエスニシティ:考古学的分析への予察

Abstract
考古学は物質として遺された人間行動の痕跡から、過去の事実や社会を復元する学問である。それが分析対象とするさまざまな人間行動のうち、戦いという行為は、その性質上、もっとも明瞭な物質的痕跡を残す。それゆえに、考古資料を用いて戦いやそのための施設・集団などを復元しようとする試みは少ない。  しかし、戦いという行為の多彩な実態や、それぞれの実態の戦いが有する物質的および観念的なさまざまな側面についての考究はまだ緒についたばかりであり、それらと、その物質的痕跡である考古資料との照応の作業は今後の課題である。  本稿では、考古学が過去の人間行動を復元するときの行為主体として設定する集団のうち、近年意識的に取り上げられつつあるエスニシティという概念を分析軸として、上記課題に取り組むための予備的な考察をおこなってみたい。 
ISSN
1880-9162
NCID
AA11823043
NAID