Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

ナタネ油およびその脂肪酸の酸化に関する研究 (第3報) ケトヒドロキシベヘン酸の生成について

Ohara, Sachiko
Shinozaki, Yuichi
Abstract
従来オレイン酸のようなC18-不飽和脂肪酸からジオキシ化合物の合成法として,広く用いられている過マンガン酸カリウム酸化の条件(反応液の濃度が著しく希薄)をエルシン酸に試みたところ,10℃以下の温度では殆んど反応が進まない、又反応中pHを9.0~9.5に調節してケトール化反応を試みても,上記同様反応はあまり進まない.即ちエルシン酸の水酸化,ケトール化は共に少くとも25℃以上の反応温度が必要である. COLEMANらによつて指摘されているように極端に希薄な溶液で反応を行うと,却つてケトール化物の生成量が減少してゆく.しかし濃厚溶液で反応を行うときは,反応によるpH変化の調節が円滑にいきにくいため,ケトール化と共にジオールの生成も顕著となる.このことはK. B. WIBERGらが考えているように,ケトール化とジオール化の2つの反応型が共通の中間物から生成され,-OMnO3-イオンとOHイオンが反応の進行を競合する結果であろうと推察した(第1図参照).ケトール化物として,エルシン酸からm.p.72.5℃を示す13,14-ケトヒドロキシベヘン酸が得られた。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029