Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

葡萄葉の光合成および呼吸作用に関する研究 (第1報)光合成作用について(1)

Honda, Noboru
Okazaki, Mitsuyoshi
Abstract
1.Campbell Early, Neo Muscat, Muscat Bailey-A, Muscat of Alexandria, Gros Colmanなど5品種の鉢植えのものについて,1964年にコイトトロンまたは寒冷紗を張った遮光箱を用い,自然の気象条件下で,温度および遮光が光合成能におよぼす影響について比較した.光合成能は9~15時の間の1時間平均,葉面積1m2当たりの乾物増加量で示した.2.6月のCampbell Earlyについての第I(A)実験においてコイトトロンによる23℃区の光合成能を100とした戸外区:23℃区:28℃区:33℃区の比数は68:100:75:53であって,23℃区の光合成能が最も高い.23℃区で6時間中始めの2時間ぐらい38℃の高温となった場合,または33℃区で快晴日には例外的に光合成能が低下した.3.同様に6月に行なった第I(B)実験によれば戸外区:23℃区:28℃区:33℃区の光合成能の比数はNeo Muscatについては51:100:64:46であり,Muscat Baily-Aについては91:100:110:89である.上記3品種中Neo Muscatが光合成について最も低温を好むことが明らかである.Muscat Baily-Aは何らかの条件によって異なった反応を示すが,全体としては温度に対する適応の幅が広いようである.4.8月上旬Campbell Earlyで第I(A)実験と同様な第II実験を行なったところ戸外区:23℃区:33℃区の光合成能の比数は82:100:88であって,盛夏においても23℃区が好適であることが認められる.但し6月の成績に比べて23℃区の好適性が劣るが,このことについては供試個体が連日の高温にあっている前歴によることが一原因であると推定される.予期に反して33℃区:33℃+15%遮光区の光合成能の比数は100:89である.5.8月中旬寒冷紗による遮光箱を用いた第III実験において戸外区:15%遮光区:25%遮光区の光合成能の比数はCampbell Earlyについては100:120:117でむしろ軽度の遮光が有利であることは戸外区よりも葉温が低いことによることも考えられる.これに反しMuscat of Alexandriaでは同様3区の比数が100:71:41であるからこの種の耐陰度が極めて小である.1962年に同様な実験を行なったところ戸外区:15%遮光区:25%遮光区:40%遮光区の光合成能の比数が100:119:104:64であった.6.9月中下旬に行なった第IV実験によればCampbell Earlyについては戸外区:40%遮光区の光合成能の比数は100:71である.他の品種の同様な比数はNeo Muscat100:98,Muscat Bailey-A100:86,Muscat of Alexandria100:52,Gros Colmanでは100:54であった.7.5品種の戸外区の光合成能についてそれらの時期的推移および各時期における各品種間の比数について一定の傾向が認められる.9月の各品種の光合成能の比数はMuscat of Alexandria100:Campbell Early77:Muscat Bailey-AおよびGros Colman63:Neo Muscat59である.例えばMuscat of AlexandriaおよびNeo Muscatはその光合成能と人工庇陰に対する耐陰度との関連において反対の特性を示している。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029