Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

笠岡湾干拓地における暗渠の機能試験

Nagahori, Kinzo
Amaya, Takao
Takahashi, Tsuyoshi
Abstract
笠岡湾干拓地において,干陸直後の軟弱なヘドロ地盤に暗渠を埋設して,効果的な地下排水を行うための適切な管種やフィルター材ならびに暗渠の深さ,管径,勾配等の諸要因を明らかにすることを目的として,昭和57年までの4年間にわたって暗渠排水機能試験を行ってきた. その結果を要約すると,以下のとおりである. 1.笠岡湾干拓地海底ヘドロを充てんしたライシメーター試験の成果により,合理的な暗渠の埋設深さを管長50m対し上流側70cm,下流側80cm(勾配1/500)に決定した. 管径は,MANNING式による水理計算により50mmと60mmに定めた. 2.暗渠排水量や地下水位の低下状況から暗渠管種による差異を比較検討した結果,ポリエチレン製網状管3種と塩ビコルゲート管及びポリエチレン製直管の計5管種は,いずれも暗渠排水量30mm/day以上となり計画基準を満足していて優劣つけ難い好成績を示した. しかし,ナイロン繊維製フレキシブル管や合成樹脂繊維ドレーンでは排水能力が劣っていた. 3.フィルター材の適否については,当初の効果は時間の経過と共に消滅し,ポリエステル合成樹脂繊維(コウケンシート)を用いた場合には泥土による目詰まりを生じて排水能力を阻害するようである. ポリオレフィン系合成樹脂繊維(ダイヤベース)でもある程度はその傾向は認められるが,用いない場合に比べてそれほど大きな差はみられなかった. 4.モミガラによって埋戻しを行った場合には,安定して排水が良好で,暗渠埋設4年後でも被覆材として有効に機能していることが確かめられた. これに対して,山土埋戻しの場合には埋戻し部が非常に密に締め固められて通水能力が低下し,暗渠排水機能が阻害されることがわかった. 現地土埋戻しの場合には,施工の状況によって場所的なバラツキの大きな結果となった. 5.ポリエチレン系合成高分子土壌改良剤(ソイルター)を埋戻し現地土に散布した場合,57年度はある程度良好な結果が得られた. よって,施工が高精度で行いうるならば,十分フィルター材として有効と考えられた. 最後に,本調査研究は文部省科学研究費の補助を受けて行ったものの一部であり,現地調査に当っては中国四国農政局笠岡湾干拓建設事業所の関係各位ならびに岡山大学農学部農地整備学研究室専攻生諸氏に多大のご協力をいただいた. 以上記して感謝の意を表します。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029