Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

Rhodotorula minutaにおけるカロチノイド生合成の光制御機構VI 光感応能と誘導能の変化について

Tada, Mikiro
Tada, Yoshimaru
Abstract
Rhodotorula minutaにおけるカロチノイド生合成の光制御に含まれる光化学反応に関係する物質についての知見を得るために光感応能と誘導能の変化を調べた. 光感応能は光が照射されない限り非常に安定であった. 菌体に光が照射されると光感応能は減少したが,その菌体を生育条件下で培養すると,光感応能は5時聞以内にもとのレベルにまで回復した. 光照射によって獲得したカロチノイド合成の誘導能は,生物化学反応が進行する条件下ではすばやく減少し,5時聞以内に消滅した. しかしながら,生物化学反応が進行しない条件下では極めて安定であった. 光感応能の回復と誘導能の減少は,シクロヘキシミドで阻害された. これらの結果に基づいて,光化学反応に必要な物質-光受容体と反応基質-は菌体中では非常に安定で代謝的分解を受けない事,カロチノイド生合成の誘導因子として作用する光化学反応生成物はタンパク合成の進行と共役してもとの反応基質に戻る事を推察した. 菌体に蓄積されたカロチノイドが光感応能に影響を与えなかったという事実は,光受容体によって吸収される光波長はカロチノイドによって吸収される光波長よりも短いかあるいは長い事を示唆した。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029