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ID 7064
Eprint ID
7064
FullText URL
Thumnail K001904.pdf 260 KB
Author
關 光
Abstract
高等植物は病原菌の攻撃に対して種々の防御応答遺伝子の発現を誘導する。本研究では、病原菌由来シグナル物質に応答した植物防御応答遺伝子の発現調節機構の解明に向けて、エンドウとエンドウ褐紋病菌の系をモデルとして解析を行った。エンドウ褐紋病菌は、その胞子発芽液中に、エンドウの防御応答を誘導する物質(エリシター)と、防御応答を一時的に抑制する物質(サプレッサー)を分泌する。エンドウ組織にエリシターを処理するとファイトアレキシン合成に関与するフェニルアラニン・アンモニアリアーゼ(PAL) およびカルコン合成酵素(CHS) をコードする遺伝子の転写が5分以内に活性化されるが、一方、サプレッサーを処理するとこれらの遺伝子の転写は速やかに抑制されることが確認されている。このことは、細胞表層においてエリシターあるいはサプレッサーが認識された後、そのシグナルが速やかに核に伝達され、PALやCHSなどの防御応答遺伝子の転写調節が行われることを示している。エリシター応答性を示すエンドウCHS遺伝子の一つ、PSCHS1遺伝子についてエリシターおよびサプレッサー応答性シスエレメントの解析をトランジェントアッセイにより行ったところ、1)エリシタ一応答性を示すエンドウPAL・CHS遺伝子プロモーター上に保存されている塩基配列モチーフ、BoxI、BoxIIおよびG-boxが本遺伝子のエリシター応答性遺伝子発現において重要な役割を果たしていること、2) PSCHS1遺伝子プロモーターの-242~+78の領域がサプレッサー応答に関与する可能性が示唆された。次に、in vlvoフットプリント解析により、in vivoにおいてこれらの配列モチーフへの核タンパク質(転写調節因子)の結合がエリシターやサプレッサーによりどのように制御されているのかを解析した。エリシタ一応答性を示すPSPAL1,2およびPSCHS1,2遺伝子プロモーターについて調べたところ、3) エリシター処理により、これら4種のプロモーター上に共通して存在するBoxI配列部分に核タンパク質の結合が誘導されること、4) PSCHS1,2に関しては、これらのプロモーター上に共通して存在するAGCCリピート配列部分にも核タンパク質の結合が誘導されること、5) PSCHS1では、トランジェントアッセイによりその重要性が示唆されていたG-box配列部分にも核タンパク質の結合が誘導されること、6) 一方、サプレッサーを処理すると、これらエリシター処理により誘導される核タンパク質の結合が部分的に阻害されることが判明した。近年、当研究室において、エリシター処理により発現が誘導される遺伝子cDNAを多数単離し構造解析を行ったところ、その中の一つ、E84遺伝子がDofドメインと呼ばれるDNA結合ドメインを有する推定の転写制御因子をコードしうることが判明した。E84遺伝子の発現パターンをノーザンハイブリダイゼーション法により解析したところ、本遺伝子の発現は傷ストレスおよびエリシター処理により誘導されるが、サプレッサー存在下では発現誘導が顕著に抑制されることが判明した。E84タンパク質の機能を明らかにする足掛りとして、ランダムバインディングサイトセレクション解析により結合DNA塩基配列の同定を行ったところ、E84タンパク質はGAAAGあるいはGAAAAGをコアとする塩基配列に結合することが判明した。エリシター応答性を示すエンドウPAL・CHS遺伝子プロモーター上にGAAA(A)G配列が存在するかを調べたところ、いずれも転写開始点付近に共通して存在していた。次に、E84タンパク質がPSCHS1プロモーターに結合しうるかをゲルシフトアッセイにより調べたところ、GAAAG配列を複数個含む領域(-44~+36)に強く結合しうること、さらに、PSCHS1プロモーターから本領域を除去するとエリシター応答性が有意に低下した。以上の結果から、E84タンパク質がエンドウPAL・CHSをはじめとする防御応答遺伝子(群)の転写を正に制御する転写調節因子として機能している可能性が示唆された。
Published Date
1999-03-25
Publication Title
Content Type
Thesis or Dissertation
Grant Number
甲第1904号
Granted Date
1999-03-25
Thesis Type
博士(学術)
Grantor
岡山大学
Thesis FullText
Thesis or Dissertation (See FullText URL)
language
日本語
File Version
publisher
Refereed
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