Journal of Okayama Medical Association
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Actinomycin Dの高等動物中枢神経系に対する作用

平 光雄 岡山大学医学部脳代謝研究施設機能生化学部門
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抄録
1.Actinomycin Dをイヌの髄液内に投与すると,3~5日の長い潜時で動物は全身痙攣を起こした.この痙攣量は0.025mgであり,それによって42例中33例に痙攣が見られ,その平均潜時は89.5±10時間であった.痙攣型は定型的な全身痙攣であり,動物は激しく痙攣を繰返したのち全例死に至った.2.Actinomycinic acidを髄液内に投与しても痙攣は認められなかった.3.ネコの髄液内にactinomycin Dを投与して数日後に,動物は脳波上定型的なgeneralized seizure dischargeを反復して示した.この場合まず高振幅spikeの群発が起こり,これにspike and waveまたはpolyspike and wave complexがつづいた.やがてspike and wave complexの出現頻度がしだいに減少し,発作波が終了した.またactinomycin D投与により, hippocampusに顕著なspike dischargeが見られることがあった.また痙攣前駆期において,myoclonic jerkの発生と同時に,hippocampusを除く全誘導に8cpsの規則的な波が見られた.他方,actinomycinic acidの投与によっては,脳波上にも顕著な変化はあらわれなかった.4.Actinomycin Dと同時にDNAを髄液内に投与し,その拮抗作用の有無をしらべたが,このDNAの投与によっては, actinomycin D痙攣は防止できなかった.5. Actinomycin Dとmethionine sulfoximineとの干渉作用を検討し,痙攣閾量以下のmethionine sulfoximineはactinomycin Dの痙攣作用を妨げないが,逆に痙攣量の半量付近のactinomycin Dはmethionine sulfoximineの痙攣作用を抑制することを観察した.6. GABA,GABOB,S-GABAのactinomycin D痙攣に対する確実な抑制作用は,ほとんど認められなかった.
ISSN
0030-1558
NCID
AN00032489