ALS系、ALR系マウスは、アロキサン誘発糖尿病について高発症および低発症方向に選抜・分系育種され、近交系として遺伝的に固定された系統である。しかし、アロキサンに対する感受性以外の特性は明確にされていないことから、両系統の特性および糖尿病態との関係を明らかにする目的で、L-アスパラギン酸ナトリウム(MSA)を用いて肥満誘導を行った。その結果、両系統とも肥満を誘発したが、ALS系のみに明確な雌雄差を伴う糖尿病態が認められた。本結果は、肥満と糖尿病態に関わる遺伝子が存在する事を示唆しており、ALS系、ALR系マウスはインスリン非依存型糖尿病(NIDDM)研究のモデル動物となりうると考えられる。