Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

ラットの性現象と下垂体中のProlactinに関する研究 I.哺乳中のラットの下垂体Prolactinレベルに及ぼす吸乳刺激の影響

湯原 正高 岡山大学
和田 宏 岡山大学
抄録
ディスク電気泳動法は,精製Prolactinおよび下垂体抽出物についてprolactinを独立したバンドとして分離することができる. この研究は第1にディスク電気泳動法による精製prolactinおよびラットの下垂体前葉中のprolactinの測定を行ない,次にこの方法を用いて,哺乳中のラットの下垂体Prolactinレベルに及ぼす吸乳刺激の影響を知るために行なった. その結果は次の通りである. 1.NIHの標準牛prolactinの量とprolactinバンドの測定値との間には10μgから100μgの範囲内で比例関係がみられた. 2.雌ラットの下垂体前葉の泳動像には3本の太い蛋白バンドが認められた. それぞれのバンドは鳩の嗉のう反応によって,そのprolactin活性を検定した. prolactinは先端バンドに近い易動度の最も大きいバンドであることが認められた. Prolactlnバンドの測定値は,カラムに加えるラット下垂体の量に比例して増加し,この方法によって量的な比較の可能性が示された. 3.分娩後4日目および7日目のラットでは,12時間乳子を隔離した状態の母ラットの下垂体Prolactinレベルは著しく増加した. 乳子を12時問隔離後,その子を母ラットに戻して30分間または3時間の吸乳を行なうと母ラットの下垂体Prolactinレベルは有意に減少した. 分娩後3週目のラットでは,12時間隔離後3時間の吸乳を行なっても母ラットの下垂体Prolactinレベルの変動は認められなかった. 吸乳する乳子の数も6匹から2匹に減らすと母ラットの下垂体Prolactinレベルには著しい増加が認められた。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029