岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018Trends in Research Concerning School Re-entry Support for Children with Chronic Illness181191ENRieMurakamiDivision of Special Education, Faculty of Education Okayama UniversityDivision of Special Education, Faculty of Education Okayama University10.18926/CTED/55817 The principle aim of the present study was to elucidate research trends and issues related to school re-entry. We reviewed past studies concerning school re-entry support for children with chronic illness. A total of 36 papers were analyzed for the keywords of "school re-entry," "support," "pediatric cancer," and "chronic illness." The results revealed that the concerns regarding the children and school re-entry support roles of legal guardians, healthcare providers, teachers, etc., and specific examples of collaboration with other occupations. "Guaranty a right to learn " and "relationship maintenance" were noted as issues, and ensuring a system that can establish certain learning opportunities even if the enrollment status of the child changes, continued maintenance of relationships of the patient before the onset of disease, and support to maintain the relationship of healthcare providers and teachers who are involved after onset of the disease are necessary even after school re-entry.No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014心理教育〝サクセスフル・セルフ〞を活用した小学校低学年の親子コミュニケーション支援の試み5662ENYumikoOkazakiMikayoAndo10.18926/CTED/52289 本研究では,親子のコミュニケーション向上をねらいとして,子どもが学校で取り組んだ心理教育サクセスフルセルフ® に沿った親子で行うホームワークを作成し,その実践可能性について検討した。公立小学校1校の1年生46人とその保護者を対象に,2年間継続して行った。年間4回行う“サクセスフル・セルフ”の授業の2回目と4回目の終了後に,授業で取り組んだ内容に沿って親子コミュニケーションを図ることをねらいとした課題を,1 週間毎日,親子で行ってもらった。取り組みに対する親子其々の自己評価と感想を分析した結果,全ての親子が,1 週間の取り組みのうち5 日以上実践していた。感想分析から,親子の良好なコミュニケーションを育む機会になったと考えられた。以上より,今回の試みは,“サクセスフル・セルフ”を介した学校と家庭をつなぐ,実践可能な包括的取り組みになり得ると考えられた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019「心のコミュニケーション」に関する道徳性の考察 : 教員養成課程におけるプレゼンテーションソフト活用会話形態が大学生に及ぼす道徳性の効果8598ENKiyomiSakamotoKiyokazuSakudaYoshikazuNakayama10.18926/CTED/56543 今日の教員への課題を取り上げ、意思疎通のあるコミュニケーションを導入した教員養成課程の必要性を検討した。なお、大学3年生(男性:10名、女性:15名)を対象として4種類の会話形態を行い、最も意思の疎通を感じ取ることのできるコミュニケーションが推認された。さらに、教職を目指す大学生を対象にして、プレゼンテーションソフトを活用した異コミュニケーションを行い、将来自分たちのえがいている教師像を目標として実施することにより、教員を志としての道徳観を抱くことが明確化された。そして、本研究における結果からこの会話形態により、道徳教育をはじめとする授業等を含めた学校教育活動全体に関わり、意思疎通による道徳性を高める効果が予測された。また、これからの倫理観と道徳観を培うための教員養成課程の在り方について明らかとした。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019特別支援学級における自立活動の時間における指導 : 設計・展開過程での課題5768ENAkitakaNakayaNaomiUchida10.18926/CTED/56541特別支援学級において、集団で行われる自立活動の「時間における指導」の実践上の課題を検討するため、実際に特別支援学級で行われた授業を分析した。授業の設計過程では、本時案の個別目標と個別の指導計画の個別目標との関連性、展開過程では、インターバル記録法により児童の授業への取り組み状況を調べた。その結果、設計過程では、長期及び短期の個別目標と本時の個別目標との関連性が極めて低いこと、展開過程では、全5回の授業で児童の意欲的な取り組みと言える課題従事行動が8割以上を占めたこと、ゲーム等の活動を伴う活動での児童の注目度の高いこと等が示された。集団による自立活動の指導の設計過程では、複数の個別目標から1つの授業を構成することの困難さと、年間でバランスよく単元を配置し他の学習と相補的に展開することの必要性、展開過程では、指導者の配慮・工夫等により児童の意欲的な取り組みを引き出すことのできる可能性が示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019裏表紙・英文目次 ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019奥付ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019岡山大学教師教育開発センター紀要原稿執筆要領 ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019平成30年度 岡山大学教師教育開発センターの活動状況の概要 ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019大学生の人間関係力育成に関する研究の動向と保育者養成教育への活用に向けて337350ENYumiKatoMikayoAndo10.18926/CTED/56563 職務上の人間関係に困難を抱えやすい若手保育者の早期離職の問題が懸念されることから,保育者養成教育においても学生の人間関係力の育成が求められる。そこで,人間関係力を育む保育者養成教育について検討するため,大学生の人間関係力育成に関する国内の先行研究を概観した結果,人間関係力に関係する要素,人間関係力の育成に関するワーク等の内容や,保育者養成校も含めた大学における実践的な取り組み内容が明らかとなった。各大学においては,多様な形で人間関係力の育成に関する実践が行われており,特定の授業に限らず,科目間,教員間で連携を図りながら取り組まれた実践報告も見られた。まずは学生自身が人間関係力向上の必要性を感じ,自らの課題や目標の達成に向けて取り組めるよう意欲を高めていくことが大切であり,保育者養成校においては,問題(課題)を解決する力,自分の意見・考えを伝える力等の育成が課題であることが窺えた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019初学者に対する有効性の高い指導方法 : 英語授業とピアノ実技指導における「既知のもの」の活用をめぐって323335ENMasaruOginoYukoDate10.18926/CTED/56562 本稿では,大学における英語授業とピアノ実技指導における初学者の苦手意識の傾向を分析し,初学者の苦手意識をなくすための有効性の高い指導方法を検討する。英語学習における学生の苦手意識は,「英語ができない」という強い感情,徒労感,不安感,嫌悪感,無関心,英語を無理やり学習させられているという感情に集約される。このような苦手意識を除くために,学生がすでに学習している英語5文型を用いた簡単な「自由英作文」を行いながら,学生の英語学習の習慣の形成,および英語で表現することに対する関心の喚起を図っていくことを提案する。ピアノ実技指導における学生の苦手意識は,嫌悪感,拒否感,不安感・恐怖感,焦燥感,劣等感,孤独感,義務感,音楽表現との乖離に集約される。このような苦手意識を除くために,既知の曲の「変奏曲」を用いてピアノ実技指導をすることを提案する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019幼保連携型認定こども園におけるカリキュラム・マネジメントに関する法的規定の内容と独自性309322ENRyotaroKonyaTomoyoshiYokomatsu10.18926/CTED/56561 2018年度から,わが国の幼保連携型認定こども園では,三つの側面をもつカリキュラム・マネジメントが導入されている。そこで本稿では,幼保連携型認定こども園におけるカリキュラム・マネジメントに関する法的規定の内容を整理したうえで,幼稚園及び保育所におけるカリキュラム・マネジメントに関する法的規定の内容と比較することで,その独自性を明らかにした。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019小学校理科における授業改善の試み : 学習指導を充実させるための展開例295307ENMitsuhiroYamasaki10.18926/CTED/56560 平成29年3月に公示された学習指導要領の理科は,問題解決の活動を充実し,日常生活や社会との関連を重視する方向で検討したとされているが,問題解決の活動を充実させるための具体的な方法は授業者に委ねられているという印象が強い。かねてより,小学校の理科の授業では,観察,実験を行うことが目的化され,形式的な問題解決になっているという指摘がある。経験の浅い教師や理科の学習指導に苦手意識を持つ教師にとって,授業改善を行うためには,その前提となる問題解決の過程を踏まえた授業を行うための課題を解決する必要がある。本稿では,第5学年「電流がつくる磁力」を基に,単元展開や1単位時間の授業の流れ等を授業者自身が考え,判断することを通して,理科の学習指導に必要な知識・技能,経験を蓄積していくための授業実践を支援できるよう作成,検討した資料を報告する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019学際教育交流セミナーを振り返って : 岡山大学の「学部横断型」学際教育の試み283294ENEikoUshida10.18926/CTED/56559 近年、学問分野を融合し、学部や学科を超えた学びを目指す「学際教育」 (interdisciplinary education)を取り入れる大学が増えてきた。本稿では、学際教育的な新しいプログラムを持つ大学が互いに交流を進めてきた「学際教育交流セミナー」に参加した経験をもとに、岡山大学の学際教育の実践例を紹介する。筆者が参加した平成30年にはマッチングプログラム(MP)とMPを引き継いだグローバル・ディスカバリー・プログラムの「学部横断型」の学際教育が紹介された。学生の活動報告ではそのような自由で柔軟な教育の良さとともに、学際教育ならではの難しさも報告された。卒業生と在校生のアンケート結果からも履修形態と他学部との交流について同様の回答があり、学際教育の課題解決に向けての取り組みが必要とされることが明らかになった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019学校・地域・親子をつなぐ「共に歌う」活動の実践(1)267281ENRinkoHayakawa10.18926/CTED/56558 本研究は,学校・地域・親子をつなぐ「共に歌う」活動としての「みんなで歌おう音楽会」の実践について,その意義と課題について検討することを目的とした。本稿では,特に,実践の経緯と概要を報告しつつ,あわせて,音楽会終演後に実施した参加者対象のアンケート調査を取り上げ考察した。その結果,本実践が,「共に歌うこと」の大切さと「日本文化としての唱歌や日本のうたの継承」の大切さについて,その一端を伝える機会になったことが明らかとなった。また,子育て支援の点からも機能していることが認められた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019初任期教員の疲労感に影響を及ぼす身体的・精神的要因と その継時変化259266ENMitsuhikoTojo10.18926/CTED/56557 本研究の目的は,初任期教員の疲労感が,物理的要因である勤務時間・睡眠時間と心理的要因である感情労働・理想と現実の教員像の差・レジリエンス・意味づけによって説明されるかについて検討することであった。2つの都市の初任教員を対象とし,複数回の調査を行ったところ,主観的疲労感には著明な変化は見られなかったものの,調査地域,時期によりその説明変数が変化していた。これらの結果から,初任期教員においては,その職能成長の過程にあって種々の経験を積みつつそれ自体がストレッサーとなり,疲労に関連していることが指摘された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019「大1コンフュージョン」の実際(第4報) : 大学2年目の学生を対象とした相談状況とその検討251257ENKosukeIketaniShinHarada10.18926/CTED/56556 本研究は,現状の支援体制が「大1コンフュージョン」等の解消や緩和にどの程度寄与できているのかについて検討することを目的とした。2018年12月に実施した調査では,大学生活が1年半以上経過した2年目の学生を対象に,「大1コンフュージョン」項目群と,既存の相談先,意欲低下領域尺度,単位取得状況を聞き,その相関について分析と考察を行った。この結果,単位取得に影響が少ない範囲で対処できている学生は,戸惑いや困難が生じた場合,友人や家族等を中心に相談し,援助要請をすることによって深刻な状況を回避していると推察された。また,「大1コンフュージョン」が継続している学生は,友人や家族を中心とした援助を得ながらどうにか必要な単位取得は進められている場合であっても,大学や学業に対する意欲が低下する状況になっていると考えられた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019「大1コンフュージョン」の実際(第3報) : ライフスキル,意欲低下,心理的ストレス反応との関連243250ENShinHaradaKosukeIketani10.18926/CTED/56555 本研究では,大1コンフュージョンに陥りやすい大学新入生の様々な特徴について調べることを目的に,日常生活スキル尺度(大学生版),意欲低下領域尺度,心理的ストレス反応尺度との関連について検討した。相関分析の結果,大1コンフュージョン(大学生活全般)は,8種類のライフスキルおよび「学業意欲低下」とはほぼ無関連であったが,「授業意欲低下」,「大学意欲低下」および3種類のストレス反応とは中程度の正の相関がみられた。また大1コンフュージョン(一人暮らし)は,8種類のライフスキルおよび「学業意欲低下」,「大学意欲低下」,「不機嫌・怒り」とはほぼ無関連であったが,「授業意欲低下」,「抑うつ・不安」,「無気力」とは弱い正の相関がみられた。今後,スケジュール管理スキルや援助要請スキル等,今回測定できていないが大学適応に重要と考えられるライフスキルと,大1コンフュージョンとの関連についても検討を行う必要がある。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019小学3年生を対象としたピア・サポートトレーニングの効果の検討 : 協同学習のための下地づくりをめざして229242ENMotokoMiyakeYoshihiroOkazaki10.18926/CTED/56554 本研究では,学校ぐるみで協同学習の取り組みを進めている小学校の3年生児童を対象として,協同学習の下地づくりを行うことをめざしたピア・サポートトレーニングを実施し,聞き方スキル,援助要請行動,サポート入手可能性,サポート提供可能性,攻撃性の観点からその効果を検討することを目的としていた。トレーニングの前後とフォローアップの3時点での効果測定について分析を行った結果,サポート入手可能性においてはトレーニングの効果を示唆する変化がみられた。一方,攻撃性においては,トレーニングによって攻撃性が上昇していることが示され,トレーニングに参加した児童について,イライラ感情や攻撃性への気づきを高めることはできたものの,対処方法の習得,活用,定着までには至らなかったと解釈された。トレーニングの回数,実施期間,およびトレーニング内容の般化に関して改善することで,より明確な効果が得られると考えられる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019幼児を対象とした集団における絵本の読み聞かせに関する研究動向215228ENNoharaAizawaMikaKatayamaToshiyukiTakahashi10.18926/CTED/56553 本研究では,日常の保育で頻繁に行われる,集団での絵本の読み聞かせに関する実践的な研究を概観し,充実した絵本の読み聞かせのあり方に関する知見の整理を試みた。その結果,絵本の読み聞かせ場面における幼児の言動は年齢に沿って変化し,4歳児から5歳児に至る過程において,集団という特徴が活かされるようになることが明らかになった。
3歳児では,保育者と幼児の個別の関係性が優位であったが,4歳児では徐々に幼児間の相互作用が広がり,他児の発話を繰り返したり,幼児と笑い合ったり等,他児を意識し,一緒に楽しむ共有化が進む。さらに,5歳児になると友達と共に内容の展開を楽しみながら,集団での読み聞かせのマナーを心得た態度を示しつつ,個別の言動の表出を調整する姿が見られるようになることが示された。質の高い読み聞かせにより,幼児の確かな言葉の発達を促す機会に成り得ることが確認された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019教職大学院における教育のアウトカムの現状と評価のあり方に関する考察199213ENAtushiMuramatsuYasuyoshiImaiFumihikoMoriyasu10.18926/CTED/56552 本稿は、平成29年3月までに修了生を送り出した国立教職大学院を対象に、教育のアウトカムについて、その現状と評価のあり方を明らかにすることを目的とする。そのため、アウトカムの根拠として一般的な定員充足率と教員就職率による評価を再考するとともに、この数値の妥当性を検討した結果、これらは十分な根拠とはならないことが明らかになった。そこで、教育委員会が学生の学修成果を評価した2年次生の教員採用試験の合格率(「追加合格率」)や、教育委員会や学校関係者が学生の学修成果を評価する場である報告会等への「外部参加率」による評価指標を導入することで、学生や学校・教育委員会といった社会との好循環につなげることを提案する。また、このような評価が機能する前提として、社会のニーズを考慮した上で、教職大学院間で育成しようとする資質能力を「チューニング」することを提案する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019ESD的視点の育成を意識した気候と文化理解教育との連携 : 北欧の気候と季節感を例とする大学での授業実践の報告183198ENKuranoshinKatoHarukoKatoRikakoAkagiKazuoOtani10.18926/CTED/56551 ESD的視点を育むための学際的な指導法開発へ向けて,北欧の夏の気候と季節サイクルを中心に日々の気温の変動幅にも注目した気候背景を解析するとともに,大学での授業実践結果を分析した。北欧の冬には,平均気温だけでなく極端な低温日の気温もドイツより更に低く,極端な低温日は4月初め頃まで出現する。また,夏至〜7月一杯までが気温のピークで,その後は急降温する。授業では,絵画作品の鑑賞や,伝統的な季節の行事やくらしについての映像の視聴,伝承曲の鑑賞を行ない,夏至祭をテーマとする音楽や美術の表現活動を行った。音楽の創作活動では小物の打楽器類などを用いた。表現活動を通して,季節の特徴や移り変わり,人々の生活,気持ちなどへの自分の注目点を意識することにより,そこに住む人々の季節感と自分の感じ方とに繋がりを得る機会になったと考えられる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019地域との連携に基づく食育プログラムの開発研究 : 小学校「総合的な学習の時間」における単元開発を事例として167181ENNagisaYamadaShinjuYamadaToshinoriKuwabara10.18926/CTED/56550 本研究は,地域との連携を重視し,連携の成果を取り入れながら小学校の「総合的な学習の時間」における食育のプログラム開発を行おうとするものである。平成17年に食育基本法が制定され,平成20年改訂の学習指導要領総則においては,学校における食育の推進が盛り込まれた。さらには,関連する各教科等でも食育に関する記述が充実するなど,食育の取り組みは活発化していると言える。食育は,その内容が広範囲に及ぶことから教科の学習としては十分に扱いきれず,横断的・総合的に取り扱う必要がある。本研究では,平成29年に改訂された学習指導要領の「総合的な学習の時間」の趣旨をふまえて,小学校において食育を効果的に展開するための単元開発に取り組んだ。単元開発にあたっては地域との連携を重視し,教材研究の中で取り組んだフィールドワークの成果を教材化し,地域とのつながりを実感できるプログラムを目指した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019特別支援学校における自傷行動を示す自閉症スペクトラム障害児へのPositive Behavior Support(PBS)に基づく実践自傷行動の低減と朝の会への参加を目指した取り組み151165ENYumikoOnishiTakayukiTanji10.18926/CTED/56549 本研究は,知的障害を対象とする特別支援学校において,激しい自傷行動を示す自閉症スペクトラム障害の児童に対してPBSに基づく実践を行い,自傷行動の低減と朝の会参加行動の形成を試みた。機能アセスメントから,対象児が床や机に頭を打ち付けたり拳で頭を叩いたりする自傷行動には,教師の指示や要求から逃避する機能,不安や緊張の低減を図る機能があると仮定した。そこで,①緊張や不安なく取り組める朝の会参加行動の形成,②頭打ちや頭叩きによって得られる感覚刺激の代わりとなる刺激の用意,③頭打ちや頭叩きの予防を図る先行事象操作,④朝の会参加行動の生起を支える結果事象の操作,を基本方針として介入を行った。結果,自傷行動は減少し,朝の会の参加行動が増加した。最後に,対象児に対する本取り組みの効果と,本実践に参加した教師の意識変容を考察した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019定時制高校における発達障害の疑われる不登校経験生徒に対する組織的な支援の実際135149ENBingyanZhaoMunehisaYoshitoshi10.18926/CTED/56548 本研究では,定時制高校における発達障害の疑われる不登校経験生徒に対する組織的な支援の実際と実践的課題を捉えるために,フォーカスグループインタビューを用いた面接調査を行った。入学前,在学中,進路決定時に関する時期区分を設定した上で,支援の内容を分析した。その結果,対象校では発達障害を生徒の個性と理解し,不登校に関する指導において発達障害の特性に特化した特別な支援は行っていなかった。ただし,生徒の社会的自立と自己肯定感の向上を目指し,個人差を認めた上で,授業場面などを活用した個別支援を行っていた。また,学校外における福祉機関や特別支援学校との連携を展開するなかで,不登校支援に結びつけた取り組みを試みていた。定時制高校は,多様な支援ニーズをもつ生徒を受け入れており,幅広い支援体制の構築が必要とされている実態を明らかにした。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019クリエイティブ・ラーニング・スパイラルに基づいた紹介動画の制作が子どもの創造性と情報モラルに与える効果125133ENYoshihiroOkazakiMotokoMiyake10.18926/CTED/56547 クリエイティブ・ラーニング・スパイラルに基づいたワークショップが子どもの創造性・情報モラルに与える効果について検討した。ワークショップに参加する群 (介入群) とゲームで遊ぶ群(統制群) の2群間で比較した結果,アイデアの産出数と情報モラルに関する記述数の差は有意ではなかった。また,クリエイティブ・ラーニング・スパイラルの各段階の行動に対する自己効力感を調べた結果,介入群の自己効力感は有意に上昇していた。さらに,クリエイティブ・ラーニング・スパイラルに基づいた創造性を育む方法について考察し,子ども間の自由な関わり合いが必要であることを示唆した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019幼児期の音楽表現活動における歌唱の役割 : 109123ENYoshikaYamashitaMasakoMushiaki10.18926/CTED/56546 幼児にとって「歌うこと」は日常と密着し,幼児の生活に彩りを加えるものである。では,具体的に保育者は,歌を提供する際にどのようなことに注意して歌の選曲や歌の活動を支援するべきなのであろうか。これらを検討するために,現在,幼児期に扱われる曲種の調査,幼児への歌の実践指導,保育関係者へのインタビューを行った。その結果,幼児向けの歌は曲名が「あ」行で始まる歌が多く,生活習慣を学ぶ歌,おとぎ話の歌,架空の生き物の歌等,多様に分類できることが解認できた。また,幼児への歌唱指導では,きっかけの言葉に即時反応する幼児から影響を受けて,他の幼児も反応する等の相互作用がみられた。インタビューからは「大きい声」「小さい声」の出し方の声掛けや歌の活動の工夫が示され,幼児期の歌活動には,年齢に応じた歌の導入,幼児の特性に応じた声掛け等,柔軟で細部まで配慮された指導や援助が必要とされることが明らかになった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019全学教職課程履修学生の講義前後における生徒指導イメージの変容の検討99108ENTomotakaMishima10.18926/CTED/56545 本研究の目的は,全学教職課程履修学生の生徒指導に関する講義の前後における生徒指導イメージの変容を検討することであった。そのため,教育学部以外に所属し教職課程を履修する学生のうち,生徒指導に関する講義を受講する学生を対象に,講義の前後に調査を行い,115名の有効回答が得られた。その結果,(1)生徒指導イメージの8因子のうち,「指導の難しさ」「一方的な指導」「個に応じたきめ細かな指導」「間違いを正す」「やりがい」の5因子が有意に高まり,学生の生徒指導イメージが講義を通して深まっている可能性があること,(2)学生の生徒指導イメージの因子間相関を講義の前後で算出した結果,講義後に相関係数が有意に転じたものが多く,学生の生徒指導イメージが講義後により多面的になった可能性があること,が主に示唆された。そして,講義の充実度や生徒指導力の高まり度などの補足データと併せて結果が考察された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019望ましい人間関係づくりに向けた特別活動の研究 : アクティブラーニングの充実による笑顔ある学級づくり6983ENKiyohiroSakudaYoshikazuNakayama10.18926/CTED/56542 いじめ、不登校などをはじめとする諸問題解決に向け、学級づくりの基盤である特別活動の在り方について、児童生徒の「望ましい人間関係づくり」の構築について検討した。この目標を達成するためには、コミュニケーション不足が叫ばれる昨今、関わり合いに根差したアクティブラーニングによる学級づくりを行うことが重要であると考える。
本研究では、過去の筆者(作田)の小学校特別活動における実践をもとにした、アクティブラーニングによる人間関係づくりへの効果について分析した。その結果、「望ましい人間関係づくり」における視点が明らかとなり、これらの取り組みにより、自己肯定感と自尊感情の向上、自己実現へと繋がり、「より善く生きる」ことへの効果が見出された。そして、特別活動における人間関係づくりの距離感や対話方法について、各々にとって最も充実感を得ることができ、認知度を向上させるコミュニケーション行為の方法が明確化された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019大学生・大学院生のスマートフォン依存傾向における退屈感と対人関係の関連4756ENYukaAtsumiMikayoAndo10.18926/CTED/56540 スマートフォンが普及し,問題が増加しているにもかかわらず,未だスマートフォン依存に限定して心理社会的要因を探求した研究は少ない。そこで本研究では,インターネット依存傾向形成要因に関する知見を手がかりに,スマートフォン依存傾向の構成要素と退屈感および対人関係の関連について検討した。大学生・大学院生342名を対象に,質問紙調査を行った。退屈感,対人関係要因を独立変数,スマートフォン依存傾向構成要因を媒介変数,日常生活への影響を従属変数として,共分散構造分析を行った。その結果,退屈感および対人関係を背景要因に,「スマートフォンの効用認知」「仮想的空間志向」といったメリット感を入り口とし,「高揚感」から,コントロール困難な状況,「日常生活への影響」と順に実害に至るプロセスが示された。これらの心理社会的要因を理解したうえで,スマートフォン依存予防対策を検討することが必要だと考えられた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019小学校における児童のいざこざの分類と教師の介入解決方略としてのミディエーションの有効性3346ENTazukoAokiAyakaYamazakiYayoiOkumuraMotokoMiyakeMasanobuKimura10.18926/CTED/56539 子どものいざこざは一般的には起こらないほうがよいと考えられている。他方で,子どもの社会性の発達を促すポジティブな面も指摘されている。本研究では小学校におけるいざこざの実態を調べ,有効な教師の介入解決方略を明らかにすることを目的とした。研究1では,教育実習を終えた大学生126名に質問紙調査を実施し,いざこざの内容を分類した結果,7種が見出された。研究2では,小学校の学級担任93名に,7種のいざこざ場面のシナリオを提示し,どのような介入解決方略をとるか尋ねた結果,ミディエーション(双方の子どもから話を聴き,子どもから解決策を引き出す方略)が,7つのうち5つの場面で最も多くとられていた。研究3では,経験豊富な管理職39名に,より解決が難しい3場面での介入解決方略について尋ねたところ,全ての場面でミディエーションが最も多かった。以上の結果から,小学校における教師のミディエーションの有効性について論じた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019体育活動における準備運動の即時的効果 : コンディショニング収縮がその後のジャンプに与える影響2332ENYotaMinamioShotaEnomotoMasaruKaga10.18926/CTED/56538本研究は準備運動として行うコンディショニング収縮(即時的な筋力増強現象を引き起こす運動)が、その後に行うジャンプパフォーマンスに与える即時的効果を調査することを目的とした。本研究には19名の男性が参加した。対象者は、足関節のみで水平方向のジャンプ動作が行えるように設計されたレッグプレスマシン上で試技を行った。コンディショニング収縮としてカーフレイズ70%1RM10回を2セット行い、カーフレイズの前に3回、その後に6回(post-1min,3min,5min,7min,10min,12min)のジャンプを行った。加えて、ジャンプ動作中の運動学的、運動力学的データを記録し、関節トルクを算出した。カーフレイズ後、10分後にジャンプ高が有意な増加を示し(p<0.05)、足関節ピークトルクも10分後に有意な増加を示した(p<0.05)。これらから、コンディショニング収縮を行うことで、その後に行う単関節運動のジャンプパフォーマンスが向上することが示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019「またやるのですか?」からの出発 : 岡山県教委の不祥事対策の3年1322ENChiakiTsukamotoShinjiHira10.18926/CTED/56537 岡山県教育委員会が取り組んできた不祥事対策について,その特徴を回顧的に述べた上で,3年が経過した現在の成果について紹介した。ともすると不祥事対策は「言われるからやりました」というアリバイ作り的なものになりやすく,研修の場での発言も形式的なものに傾きやすい。そうした動機づけの低さを「多忙な教員として自然な反応」と認識したうえで,生徒理解を超え,教師自身の人生理解に役に立つように研修資料を作りこんできた結果,現場では「研修を受けてよかった」「研修を繰り返すことに意味があると思える」という声も聞かれるようになったNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019教育ITシステムとしてのGoogle classroomとChromebook112ENuniYamakawa10.18926/CTED/56536 「2030年代を生きる力」と「働き方改革に利するITスキル」を教育するためのアクティブ・ラーニングをサポートする教育ITシステムの構築においてGoogle classroomとChromebookを検討した。教育クラウドプラットフォームのひとつであるClassroomと,Webアプリケーションを利用するChromebookを用いて教育ITシステムを構築すると低コストで導入と運用ができると考えられた。またこの教育ITシステムはGoogleアカウントを経由して作業環境やデータ・ファイルをスマートフォンとPCの間で同期するため,スマホ・ネイティブ世代の情報処理能力をスムースに拡張することができる。これにより国際化が要請されているスマホ・ネイティブ世代が経験するデジタル・デバイドを軽減し,また2030年代に向けて我が国のビジネス・ワーカーが持つITスキルを向上させることが期待される。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019表紙・目次 ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132392019岡山大学教師教育開発センター紀要 第8号 全文 (一括ダウンロード用) ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018裏表紙・英文目次 ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018奥付ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018岡山大学教師教育開発センター紀要原稿執筆要領ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018平成29年度 岡山大学教師教育開発センターの活動状況の概要ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018障害のある子どもの教育成果に関する学校の役割 : 米国最高裁Endrew F. v. Douglas County SD (2017)の論点-207212ENYumiAmanoWenhaoLiuBingyanZhaoMunehisaYoshitoshi10.18926/CTED/55819本稿は,学校が障害のある子どもに保障すべき教育成果の水準について,米国連邦最高裁判所が示した画期的な判決(Endrew F. v. Douglas County SD , 2017)の論点を捉えることにより,今後のインクルーシブ教育のあり方の検討に必要な基礎資料を提供することを目的とした。米国では障害者教育法(IDEA)により,障害のある子どもに対する「無償で適切な公教育」(FAPE)が保障されている。従来,FAPEが求める教育成果の水準に関しては,1980年代の最高裁判所判決(Board of Educ. v. Rowley , 1982)が大きな影響を与えてきた。つまり,FAPEの要求は「最小限を満たすもの」であれば足りると解釈されてきた。しかしながら,Endrew 裁判によって,実質的な意味のある教育成果が求められることが判示された。今後,本裁判を契機に,障害のある子どもに対する教育の成果がこれまで以上に大きな議論となることも予想できる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018就学前後の子をもつ親の 子育て不安・子育て支援に関する検討193206ENYumikoOkazakiMikayoAndoGraduate School of Education, Okayama University10.18926/CTED/55818 本研究では,就学前後の子をもつ養育者が,子育てで感じている喜びや不安,必要としている支援について検討し,子育て支援のあり方について考察した。子ども園に通う3から5歳児の保護者と小学1,2年生児の保護者に子育てに関する自記式調査を行い,回答を得られた166名の記述内容について検討した。質的分析から,子ども園児・小学校児童の保護者とも,子どもの成長や姿,一緒に行動することに喜びを感じていた。一方,子ども園や学校での適応や保護者自身の子どもへの対応に不安を感じていた。このような状況から養育者への支援として,就学前教育と小学校教育の連携の強化,保護者同士の交流の場や機会の提供,相談体制の整備,子育てに関する講演会や心理教育の提供,子育て支援に関する満足度の定期的見立てが重要であると考えられた。以上より,子育て支援には,心理的支援を含めた多面的な支援が重要であることが示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018「大1コンフュージョン」の実際(第2報): 大学生活を支える段階的な援助サービス173180ENKosukeIketaniShinHarada10.18926/CTED/55816 本稿は,学生が大学入学後に陥りがちな高等学校と大学とのギャップからくる戸惑いや困難の状態を「大1コンフュージョン」であると,その要因を踏まえた支援の在り方について,学校心理学における3段階の心理教育的援助サービスの枠組みを用いて分類しつつ論考するものである。「大1コンフュージョン」の予防と緩和に関する実践的研究を推進するにあたって,(1)全ての新入学生,(2)苦戦し始めた一部の学生,(3)苦戦が著しい状態にある特定の学生,以上のそれぞれを対象とした具体的な支援例について検討した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018小学校理科における学習指導改善に向けての視点159171ENMitsuhiroYamasaki10.18926/CTED/55815 平成29年3月に公示された新学習指導要領では,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善が求められている。また,理科としては,育成を目指す資質・能力や,「理科の見方・考え方」といった新たに示された内容や視点に対応した学習指導の充実に取り組む必要もある。しかし,学習指導の充実は,新たな内容や視点を加えれば実現するというものではない。小学校の教師の多くは,問題解決的な理科の学習を指導することは難しいと感じている。理科の学習過程として問題解決の過程を重視した今回の改定により,その印象が加速されることが懸念される。本稿では,問題解決の過程を理科の学習過程に位置付ける上での課題と,理科の学習過程に沿った学習指導を行う上での課題を具体例で示しながら,それらへの対策を検討し,新学習指導要領実施に向けた学習指導改善の手掛かりをつかむための視点として提案する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018教職志望学生の指導のあり方 (9) : 教職相談室の利用の実態と教員採用試験の合否結果から149158ENSatomiKochiMikioButoSaitaroKobayashi10.18926/CTED/55814 教職相談室では,主に教職志望の全学の学生を対象に教員採用試験に向けた指導を中心とした様々な相談活動を行っている。昨年度から岡山県・岡山市の教員採用試験に集団活動(グループワーク)が取り入れられ,人間性や資質などの人物評価が一層重視されるようになった。学生一人一人への丁寧な指導,「教師力養成講座」の開催,「教職ガイダンス」「教採突破セミナー」への協力により,教師として大切な資質等を養っている。教職相談室の利用回数が多いほど,利用開始月が早いほど教員採用試験の合格率が高くなることは数値の上でも表れている。このため,今以上の利用者数の増加・充実のためには,翌年度の受験志望者の利用開始を早めることが必要である。岡山県・岡山市の受験者は受験者実人数の約6割であり,それ以外の自治体の受験者も受験者実人数の6割近くを占めることから,岡山県・岡山市に軸足を置きながら,各自治体の対策を進める必要がある。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018「教師力養成講座」2017年度の概要と9年間の取組 : 実践的指導力を有する教師の育成のために135147ENMikioButoSatomiKochiSeitaroKobayashi10.18926/CTED/55813 教師力養成講座は、学校現場で実践されている優れた取組を学生に伝えることで、教職への漠然とした不安を取り除き教師という仕事への意欲を高めるとともに、学生の実践的指導力の向上を図ることをねらいとしている。2009年から9年間実施しており、受講学生の多くから、「教職を目指す上で役に立つ」という肯定的な評価を得ている。これまで随時開催してきたこの講座を、より定着したものにする方策として、2018年度からの授業化に向けた取組を進めている。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018中学1年生を対象としたピア・サポートプログラムの効果の検討 : 小学6年生への移行支援をピア・サポート活動に位置付けて123133ENMotokoMiyakeGraduate School of Education, Okayama University10.18926/CTED/55812 本研究では,中学1年生を対象として,「小学校訪問」をピア・サポート活動として位置付けたピア・サポートプログラムを実施し,社会的スキルおよび自己有用感の観点からその効果を検討することを目的としていた。質問紙による効果測定を行い,分析の結果,社会的スキルおよび自己有用感のいずれにおいても,ピア・サポートプログラムの前後,および,ピア・サポートトレーニングとピア・サポート活動の前後で,統計的に有意な上昇が示された。また,事前の社会的スキルと自己有用感の評定値が比較的低めの生徒においてのみ,ピア・サポートトレーニングの前後で上昇的変化が生じたことから,ピア・サポートトレーニングからピア・サポート活動へと移行するピア・サポートプログラムの形式は,社会的スキルと自己有用感の低めな生徒にとっては特に有用であると考えられた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018ESDを視点とした家庭科授業開発研究 : 平成28年度岡山大学教養教育科目「教育の現代的課題(生活と環境)」 の実践と検討109122ENSonoSatoGraduate School of Education, Okayama UniversityDaisukeSatohYokoShinoharaGraduate School of Education, Okayama University10.18926/CTED/55811 平成28年以降、わが国では、これから子どもたちが生きる予測できない未来に対応するための学校教育の方向性として、グローバル化や知識基盤社会で生きる力とその育成のためのアクティブ・ラーニングの導入が示された。2014年にスーパーグローバル大学の指定を受けた岡山大学においても、知識基盤社会やグローバル化社会を支える高度な専門知識と知的な素養を備えた人材育成のための教育改革が行われた。本研究は,この改革の中で、教養教育として教育学部に求められた「現代の教育的課題」の授業科目として、アクティブ・ラーニングを核とする“ESDを視点とした家庭科Project”を基盤として開発した「生活と環境」とその実践結果について検討した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018「大1コンフュージョン」の実際(第1報) : 高校と大学のギャップに戸惑う新入生の実態調査97107ENShinHaradaKosukeIketaniMegumiMatsuiNaotoMochizuki10.18926/CTED/55810 本研究では,まず「高校までの学校段階と大学との様々なギャップに対し,多くの大学1回生が入学後に強い戸惑いや困難を感じること」を「大1コンフュージョン」と命名した。その上で,予備調査では,大1コンフュージョン【大学生活全般】31項目,大1コンフュージョン【一人暮らし】8項目を収集した。本調査では,それら39項目の平均値および,ASD(自閉スペクトラム症)困り感,ADHD(注意欠如・多動症)困り感との関連について検討した。平均値の結果から,大学1回生は,相対的に授業履修や学習面に対して戸惑いや困難が高く,学習面以外の大学生活全般に対しては相対的に低い結果が示された。それに対し,発達障がい困り感との関連結果から,特にASD困り感の強い学生は,授業履修や学習面よりも,それ以外の大学生活全般に対して,より戸惑いや困難を感じやすい結果が示された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018幼稚園教育におけるティーム保育の多様な形態と教育効果8396ENNorikoBabaFusakoIyamaHirokoKoyanoShigekoShiragaYumikoHiramatsuMisaoMoriyaMikaKatayamaOkayama University Graduate School of Education10.18926/CTED/55809 本論は,幼稚園で実践されているティーム保育について,その多様な形態を分類することを目的に,1県内全域の幼稚園に対する質問紙調査を行い,実証的に明らかにしたものである。ティーム保育の形態の分類は,保育経験豊富な研究協力者によって,質問紙調査の結果を基にしたグループディスカッションで検討され,各形態に見る教育効果や特性,運営上の課題が精査された。その結果,園内の全教師が1つのティームとなり,全園児を全教師で保育するという意識を強く持っていることが明らかになった。そのことを前提に,ティーム保育の形態について,次に示す3つの分類が見出された:①「教師の配置に注目したティーム保育の形態」,②「保育内容や生活を重視したティーム保育の形態」,③「幼児理解や保育等に関する保育時間外のティーム保育の形態」。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018わが国の保育士の私的な子育てをめぐる動向6981ENMikaKatayama10.18926/CTED/55808 本研究では,私的な子育てをめぐる雇用条件や職場の状況といった環境要因,保育者の私的な子育てに対する認識という個人の内的要因の両面から,保育士にとっての私的な子育てをめぐる現況を整理した。
その結果,両立するにあたっては,多様な働き方改革の制度を利用し,離職しなくても一時的に仕事よりも家庭生活・子育てを重視した生き方を実現できる可能性が拓かれてきていることが確認された。また,両立の困難に対処する中で保育の専門性が洗練されている事実も確認出来た。また,従来,子育てとの両立で最も大変な時期は,子どもの就学までと捉えられがちであったが,それ以降の発達期にも引き続き,時間とエネルギーを要する可能性が示唆された。保育士が捉える私的な子育てのより詳細な検討課題として見出された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018学校教職員の不祥事と対策について : 校内研修はどうあるべきか5967ENChiakiTsukamotoGraduate School of Education, Okayama University10.18926/CTED/55807 学校教職員の不祥事が社会的に問題になっている。各地の教育委員会は,専門家を招いて講演会を開催し,定期的な校内研修を促すなど防止策を実施しているが,教育委員会の関係課や管理職からは「なかなか『わがこと』として捉えてもらえない」という嘆きが聞かれる。本稿では,不祥事防止研修に身が入らないのはなぜか,どうすれば「不祥事をわがこととしてとらえ,そこでの学びを教育実践に還元できるか」について論じた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018学校運動部活動指導者の心理的負担感と対処に関する検討4557ENMikayoAndoGraduate School of Education, Okayama University10.18926/CTED/55806 本研究の目的は,学校運動部活動指導における指導者の心理的負担感と対処について検討することである。対象は,自己記入式質問票に回答した学校運動部活動指導者96人。質的検討を行った結果,指導者は,生徒の態度,保護者からのクレーム,指導者自身の指導力不足,同僚の非協力的態度等を心理的負担に感じていた。生徒や保護者とコミュニケーションを図り信頼関係を構築すること,自己研鑽すること,信頼できる関係者に相談すること等が,対処方略になっていた。心理的負担感を乗り越えた程度と心理社会的要因の関連を検討したところ,心理的負担感を乗り越えたと認識している程度が5割以下の群は,6割以上の群に比べて,有意に抑うつ気分や不安感が高く,健康感や対人関係自己効力感が低かった。以上より,学校運動部活動指導に携わる教員等指導者の心理的負担感を見立て,心理的負担感に対処するこころの健康対策が重要だと考えられた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018生活体験と科学的定義とのギャップを 解消するための新たな授業展開3143ENShuuichiInadaShinichiAranoYoshihikoInadaMakotoSugiyamaEtsumasaHiuraRyousukeFurujyouToshimiNakakuraMikihaNoseYasuharuIwamoto10.18926/CTED/55805 理科の授業では,物理量の定義を起点として学びの展開を構成する場合が多い(定義起点展開法)。一方,日常生活では,「目的地までの所用時間の短さ」と「速さ」を連動させて思考することが多い(生活起点展開法)。そのため,科学的定義に基づく扱いとのギャップに生徒が戸惑い,理科の学習内容を日常生活へ関連させて理解するときの障壁になっている可能性がある。中学校2・3年生679名を対象とした事前調査では,速さについて「生活起点」で考えている生徒が615名(90.6%),「定義起点展開法」で考えている生徒が51名(7.5%)であった。また,生徒の「速さ」の捉え方に対する回答反応時間の分析結果からも,「定義起点展開法」の正解者の反応時間の平均が22.0秒に比べ「生活起点展開法」の平均は18.4秒であり,「目的地までの所用時間の短さ」と「速さ」を連動して思考する「生活起点展開法」の考え方が多いと推測される。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018生徒の自己受容を促す幼児との触れ合い体験に係る中学校 家庭科の授業開発1529ENEtsukoKandoMikaKatayamaToshiyukiTakahashiOsamuNishiyama10.18926/CTED/55804 中学生の幼児との触れ合い体験の意義については,先行研究によって示されてきたが,体験の何が効果を及ぼしているのか,実証的な研究は未だ少ない。そこで本論では,「他者から受容される経験が,自己受容を促す」との実践的な仮説を立て,触れ合い体験による他者から受容される経験が,自己受容を促す可能性を検討する。触れ合い体験において,幼児は先入観や条件なしに関わってくることが予想される。そのような幼児に受容される体験は,生徒にとって日常的な人間関係とは異なる,得難い経験となり得る。そこを意図的に強化することで,合理的に意義ある授業を作ることが可能となると考える。また,将来の子育てに繋がる,長期的な効果も期待できる。本論では,こうした仮説に基づき,生徒の自己受容に焦点を当て,これを促す中学校家庭科保育領域の授業を開発し報告した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018これからの道徳性を問う : 教育哲学の視点から考える新たな道徳性への追求114ENKiyohiroSkudaWaseda University institute of teacher educationYoshikazuNakayamaOkayama University whole school education and student support organization10.18926/CTED/55803 戦後の近代化と共に進む、非人道的な課題に及ぶ道徳性の著しい衰退により、今日の日本では、真の道徳性について見直す時にきている。本稿では、「道徳性」とはどのようなことなのか、現在の大学生によるアンケート調査をもとに、今日、成人を遂げ、新たに社会に巣立とうとしている大学生の真意を探ると共に、今後の課題と学校教育における道徳教育の在り方について検討した。
その結果、今日の大学生における道徳性と今後の課題が見出され、「生命への尊重」「規範意識」「信頼関係」などが今後の道徳性として重要であることが示唆された。なお、これらの道徳性について、歴史上の思想家(教育哲学者)の理論をもとに検証し、今後の未来に必要な道徳性について明らかとした。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018岡山大学教師教育開発センター紀要 第8号 全文 (一括ダウンロード用)ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132382018表紙・目次 ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132312011日本の中学校における生物教育の歴史的分析 : 学習指導要領に基づいて105114ENAyakaKozeniKenjiTanaka10.18926/CTED/44382ほぼ半世紀の間に出されてきた6つの中学校学習指導要領に注目し,授業時間数は,昭和33・44年度告示の間で増加し,その後,平成10年度告示まで一貫して減少し,平成20年度告示に至り,昭和52年度告示の値に近づいている。目標表現では,「知る」が昭和33年度告示に非常に多く,昭和44・52年度告示にはなく,平成元・10・20年度告示に至って少し使われ,内容項目では,「遺伝」が昭和33・44年度告示にあり,昭和52・平成元・10年度告示にはなく,平成20年度告示に至って再び指示されている,などの変遷を見出した。中学校における生物教育の半世紀にわたる変遷は,黎明・混迷・再興の過程を経ているといえる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132312011ドイツ-ザクセン邦-のミッテルシューレにおける生物教育の現状分析 : 学習指導要領に基づいて93104ENKenjiTanakaAyakaKozeni10.18926/CTED/44381ドイツ(連邦共和国)のザクセン邦におけるミッテルシューレ(通算呼称,第5~10学年)に焦点を当て,学習指導要領などを手がかりにして,生物教育の特徴を,物理教育との比較を通じて,明らかにした。生物は物理に比べて,履修開始学年が早く,学習期間が長く,能力(準備)育成に対して資質育成という職業生活を念頭においた目標に関して違いがあった。生物分野の人体に関する学習と物理分野の天文に関する学習は,占める役割が異なっていた。概念の位置づけの指示は生物にあり,物理になく,概念を重視した教育を目指している。このような履修開始学年と期間,一般教育への寄与という目標,重要な学習内容の存在,授業構成の方針の有無から判断すれば,ミッテルシューレにおける生物教育は物理教育と比べて,確固とした地位を占めているといえる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132312011大学と学校園現場との連携に関わる調査研究 : アンケート調査からの考察8592ENFumioYamaneKatsuhikoKida10.18926/CTED/44380学校園現場と大学の連携協力をより充実させていくために,「学校園現場が大学や大学教員に期待している事は何か」など現場の生の声を把握することを目的としてアンケート調査を実施し,回答についての分析・考察を行った。調査対象は,平成21年度に「いきいき学校園づくり」事業に指定された岡山市内9中学校区の幼稚園・小学校・中学校49校園の校園長と研究主任(幼稚園は主任)とした。その結果,大学教員に対しては「授業づくり」「教科・領域の専門性」「生徒指導・教育相談」等について,学校園現場の実態を踏まえた具体的な指導・助言を期待していることが明らかになった。大学生・大学院生(以下大学生等)に対しては「個別の幼児・児童・生徒」「教科指導」等についての支援を学校園が期待していることが明らかになった。また大学生等が支援に入る際には,継続して参加すること,各学校園及び幼児・児童・生徒の実態を把握すること,積極的に関わっていくこと等の姿勢が重要であることが示された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132312011教員志望学生の指導のあり方(3): 教職相談室の利用の実態から7784ENKiyoshiOgawaYasumichiMatsubara10.18926/CTED/44379平成15年度に開設された教職相談室は、平成20年度から2名の教員が配置され、教職志望の学生の指導に当たっている。論作文添削、集団討論、面接指導、模擬授業など、教員採用試験に関する指導を中心に様々な相談活動を行っている。昨年度までは1室で指導を行っていたが、今年度から2部屋で指導を行えるようになった。また、今年度は、集団討論の指導の際、ビデオ機器を使用して指導を行った。これにより、学生自らが自分の姿を客観的に見ることができ、自分の長所や短所を的確に捉えてより望ましい姿に向けて改善することができた。本年度、教員採用試験に最終合格した学生とそれ以外の学生では、教職相談室の利用回数に大きな差が見られた。教員採用試験に最終合格した学生の教職相談室の平均利用回数は16.56回であったのに対して、1次試験のみ合格の学生の平均利用回数は9.36回であり、合格しなかった学生の平均利用回数は4.03回であった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132312011高度な専門性と実践的な指導力を有する教師の育成プログラム 「教師力育成講座」の開発(2): 学教職課程の構築に向けた教職相談室機能の拡充6976ENYasumichiMatsubaraFumioYamaneKiyoshiOgawaEijiEgiKayokoSodaMitsuhiroYamasakiKazuhikoKasaharaHiroshiTakahataKatsuhikoKida10.18926/CTED/44378岡山大学教師教育開発センターは,教職支援部門を中心として前身の岡山大学教育学部附属教育実践総合センターから取り組んできた「高度な専門性と実践的な指導力を有する教師の育成プログラム(教師力育成講座)の開発・実践を行っている。受講生に対するアンケート調査の結果から,本年度の講座も学生のニーズを的確にとらえた,質の高い内容を提供できていることが明らかになった。センターの全学化に伴い,昨年度は全体で4名であった他学部の受講生が,本年度は25名に増えた。講座の在り方を見直すための新しい視点として,講師を担当した校長先生からの意見聴取を行ない,これまでの取り組みを再検討した。その結果,学生自身の「気づき」に重点に置いた新しい全体構想図を作成した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132312011小学校の音楽科における歌唱共通教材のあり方について5768ENHiromiIshiiMasakoMushiaki10.18926/CTED/44377日本の唱歌やわらべうたが含まれる歌唱共通教材のあり方について、小学生への歌唱共通教材に対する印象調査を踏まえて考察した。その結果、①低学年では身近な内容の歌唱教材が重要であること②低学年・中学年では、歌詞への関心が高いこと③高学年ではメロディやリズムへの関心が高いこと④曲に対する好みは、同じ学年では類似していることの4点が明らかになった。これらの結果を踏まえて、教師は児童の興味・関心に目を向けた学習を展開すること、歌詞に関心が向けられる歌唱指導を行うこと、「音楽文化の継承」として大人が子どもへ残していきたい唱歌だけでなく、児童がこれからも歌っていきたいと主体的に感じる唱歌との出会いを大切に、歌唱共通教材として24曲の指定の枠にとらわれず幅広く唱歌を取り入れることが重要である。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132312011教員養成におけるESDプログラムに関する基礎的研究 : 総合演習Bの実践を中心として4756ENTsutomuKawada10.18926/CTED/44376わが国におけるESDの推進において、学校教育の果たす役割はきわめて大きい。したがってESDの推進にあたって教員の役割は重要であり、教員養成段階においても効果的なESDプログラムの提供が不可欠となる。岡山大学においては、「ESDの理念をもち、学習指導力・生徒指導力・コーディネート力・マネジメント力の4つの教育実践力を身につけた反省的で創造的な教員」を教職ディプロマポリシーとする全学教職コア・カリキュラムが2010年度から開始された。本研究では、全学教職コア・カリキュラムで設定されているESDに関する内容を含む「教職論」と「教職実践演習」をつなぎ、ESDの実践力を養成する中心的な科目として位置づけられる「ESDの理論と実践」の2011年度からの開講を前に、「総合演習B(国際理解)」をパイロット科目に設定し、その実践結果を当該科目の内容と方法にフィードバックすることを試みた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132312011量としての分数から数としての分数への移行を図る分数指導の研究3746ENToyooKurosakiDaisukeMarui10.18926/CTED/44375平成20年度告示の小学校学習指導要領が平成23年度から完全実施される。従前のゆとり教育における分数指導は、集中方式で指導が行われた。第4学年では分数概念を、第6学年では分数計算の指導が行われてきた。基礎的・基本的知識・技能の確かな習得を目指す新しい分数指導では集中方式を改め、スパイラル方式で指導が行われる。しかも、第2学年から分数指導が行われる。分数概念に関する指導の最重要課題は、「量としての分数」から「数としての分数」の移行を図り、確かな「数としての分数」の概念を習得させることにある。そこで、本研究では、「量としての分数」から「数としての分数」へどのような移行指導すれば「数としての分数概念」を確実に習得することができるのか、その指導のポイントを実践的、実証的に明らかにする。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132312011特別活動との関連づけによる道徳的実践力の研究2936ENKiyohiroSakutaToyooKurosaki10.18926/CTED/44374社会の変動の激しい時代にあって,地域の大人とのつながり,学校での友だちとのつながりでさえ希薄になる傾向が進んでいる。望ましい人間関係がつくれなかったり,自分の目標を見失ったり,自分に自信を失ったりする子どもが増えている。こうした子ども達が望ましい人間関係を築くことができるようになるためには,日々の生活において他者,社会に積極的に関わり,人間としてのよりよい在り方を自覚し,よりよい生き方を求めていく中で,望ましい道徳性をはぐくむ必要がある。そこで,同年齢とふれあう学級活動や異年齢児童とふれあう学校行事などの特別活動を通じて,他者や社会に積極的に関わる道徳教育を行う。こうした体験的に自分の周りの人を思いやる心,正義や公正を重んじる心,協力し合う心をはぐくめば,社会性や相手の立場を思いやる心の大切さに気づき,望ましい人間関係を築き上げることができると考える。本研究では,特別活動との総合単元的道徳学習の実践事例をもとにして,子ども達の心の変革の要因を分析・考察し,道徳的実践力の育成の効果を検討する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132312011日本の気候系を軸とする教育学部生への教科横断的授業について(「くらしと環境」における多彩な季節感を接点とした取り組み)927ENKuranoshinKatoHarukoKatoRikakoAkagi10.18926/CTED/44373教育学部生を対象とする教科横断的な科目『くらしと環境』の集中講義を,「多彩な季節感を育む日本の気象・気候系の特徴を理解し,それに関連した音楽や絵画等の内容との学際的繋がりを考える」というテーマで行った。日本の気象・気候系に関して,モンスーンの影響を受けた梅雨や秋雨の降水環境を含む六季のサイクルを具体的に強調するとともに,秋から真冬,真冬から春への遷移期である11月頃や2月後半〜3月前半に,独特な特徴を示して現れる『中間の季節』の存在にも注目させた。それらを踏まえて,唱歌に歌われている内容と季節やその移り変わりに関する事象や気象・気候の特徴との関わりを考える活動を行った。特に,『おぼろ月夜』で歌われている春の情景を踏まえて,「オリジナルストーリー」を作成する活動も行った。また近世・近代の日本画に表された季節感を鑑賞する活動と,抽象画のような色彩の組み合わせによって微妙な季節感を表現する活動も行った。更に本稿では,講義や簡単なデータ分析作業,創作活動の結果について,学生のレポート課題の記載内容や作品に基づく分析も行った。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132312011特別支援教育の対象となる児童生徒の都道府県別比較18ENRieYokouchiMunehisaYoshitoshiMasafumiYanagihara10.18926/CTED/44372本研究では都道府県における特別支援教育の特徴を明らかにすることを目的とした。特別支援教育を受けている児童生徒を特別支援学校在籍率、特別支援学級在籍率、通級指導対象率に変換してクラスター分析を行い、これらの関係から特徴を明らかにした。その結果、①特別支援学級在籍率、通級指導対象率とも高くはない群(類型Ⅰ-1)②特別支援学級在籍率、通級指導対象率とも平均的な群(類型Ⅰ-2)③特別支援学級在籍率は低いが通級指導対象率は高い群(類型Ⅱ-1)④全体的に高いが中学校の特別支援学級在籍率と小学校の通級指導対象率が著しく高い群(類型Ⅱ-2)⑤特別支援学級在籍率は高いが通級指導対象率は低い群(類型Ⅲ-1)⑥全体的に高いが特別支援学級在籍率が著しく高い群(類型Ⅲ-2)⑦特別支援学級在籍率の中でも特に中学校が高く通級指導対象率は低い群(類型Ⅳ)の7つに類型化された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012全国学力テストの調査結果における県間比較(1)196205ENTakuOjima10.18926/CTED/48209本稿は、文部科学省が実施した「全国学力・学習状況調査」(メインタイトルを含め、以下本稿では全国学力テストと略記)のうち悉皆調査として行われた2009(平成21)年の結果を検討し、児童生徒の活用力を育成する学校教育課程のあり方を考察するデータの整理を主な目的としている。具体的には、現在まで計5回行われた調査において教科(国語、算数・数学)学力調査の結果が常に上位を占める秋田県の結果を、ほぼ全国平均の位置にある岡山県の結果と比較した。教科テストの結果、教科テストと並んで行われた児童生徒の学習や生活の実態の調査及び学校長らが解答した学校調査の結果をそれぞれ比較することで、本稿において「活用力」の指標として位置づけている全国学力テストB問題における正答率の高さと密接な関係にあるいくつかの要因を抽出することを試みた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012ドイツ-ザクセン邦-のミッテルシューレにおける生物教育の比較分析-日本の中学校における理科教科書との比較に基づいて-186195ENAyakaKozeniKenjiTanaka10.18926/CTED/48208ドイツ(連邦共和国)のザクセン邦におけるミッテルシューレ(通算呼称,第5~10学年)に焦点を当て,教科書を手がかりにして,教科生物の特徴を,日本の中学校の教科理科における生物分野との比較を通じて,明らかにした。ザクセン邦では教科生物として設定しており, 日本に比べて週授業時間数が多く, 選択分野もある。また, 人体を取り扱っており,人体分野の一部の内容には, いわば保健の内容が含まれ, ザクセン邦の週授業時間割表から保健がないことがわかるように教科生物で取り扱っている。教科書における学習内容とページ数, 索引の学習分野別割合, 人体分野の取扱いの範囲と順序に関する対比,DNAに関する取り扱う学年と範囲と内容の比較などから判断すれば, 日本の中学校の理科における生物教育とは異なり, ザクセン邦の生物教育の内容が広く,緻密であることがうかがわれる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012ドイツ-ザクセン邦-のミッテルシューレにおける生物教育の歴史的分析 : 旧東ドイツの学習指導要領との比較に基づいて176185ENKenjiTanakaAyakaKozeni10.18926/CTED/48207ドイツ・ザクセン邦におけるミッテルシューレと東ドイツのオーベルシューレとに焦点を当て,学校教育法,学習指導要領などを手がかりにし,40年間程度の隔たりがある生物教育の比較分析を行ってきた。週授業時間数はオーベルシューレ(第5~10学年)からミッテルシューレに至り1時間減少した。例えば, オーベルシューレでは生物兵器(ベトナム戦争におけるアメリカ軍の枯葉剤散布)を取り上げることを求めていたが, ミッテルシューレでは話題にもなっていないことや, 東ドイツもザクセン邦も遺伝学習はされているが, 東ドイツは遺伝子レベルで, ザクセン邦はDNAレベルまでも学習がされていることから判断すれば, 生物教育は社会主義の建設を標榜しなくなったことによるイデオロギーの変化と, 科学技術の発展による時代の流れによる変化に影響されてきたことがうかがわれる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012ハワイ大学マノア校における障害学生支援の実際-KOKUA プログラムの取り組みを通して-171175ENMunehisaYoshitoshi10.18926/CTED/48206近年,わが国においても大学教育における障害学生支援のあり方が注目されつつある。しかしながら,多くの大学は実態把握に着手したばかりであり,実践的な支援システムの構築は今後の課題となっている。そこで,本稿では,州立ハワイ大学マノア校(学生数約2万人)における障害学生支援の取り組み(KOKUAプログラム)に着目し,インタビュー調査を中心にその実際について報告した。KOKUAプログラムは,半世紀近くの歴史を持つ学内の独立した学生支援機関であり,専任職員の配置による組織的な体制が組まれている。KOKUAプログラムの利用者は全学生の約3.2%に上ると推計されており,アシスティブ・テクノロジーを活用した多様な支援が展開されていた。一方,発達障害学生に対する支援方法の構築や,プライバシーの保護を前提とした支援の限界といった課題も残されていた。今後,手続きや内容など各大学の実態に応じた支援システムを早急に検討していく必要があろう。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012NetCommonsを活用した全学教職課程を支えるウェブサイトの構築―岡山大学の教職情報ポータルサイトを目指して―162170ENDaisukeSatohFumioYamaneShigenobuTakatsukaMasaruKaga10.18926/CTED/48205岡山大学教師教育開発センターでは、ウェブサイトを活用した全学教職課程を支える学生サービスの提供を開始するため、新たなウェブサイトを構築した。まず、想定される利用者を明らかにし、全体のページ構成について検討し、そこから必要となる機能を導き出した。そこで、国立情報学研究所が開発したContents Management System(CMS)「NetCommons」を導入し、必要なカスタマイズを行った。また、NetCommonsをインストールするサーバーについては、岡山大学情報統括センターが提供する「クラウドホスティングサービス」を活用して、アクセス制限や統合認証等にも対応した。ウェブサイト構築後は、まず教職員向けの機能理解・利用促進を図る取組を展開した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012教員志望学生の指導のあり方(4)―教職相談室の利用の実態から―154161ENKiyoshiOgawaYasumichiMatsubara10.18926/CTED/48204平成15年度に開設された教職相談室は、平成20年度から2名の教員が配置され、教職志望の学生の指導に当たっている。論作文、集団討論、面接、模擬授業など、教員採用試験に関する指導を中心に様々な相談活動を行っている。今年度は、学生の相談履歴を記録しておく電子カルテを作成した。その結果、限られた時間内で効率的な指導を行うことができたり、学生との連絡をスムーズに行うことができたりした。また、平成22年度の年間利用延べ人数が4593人になり、その内他学部生が167人であった。共にこれまでの最多の利用者となった。本年度も、教員採用試験に最終合格した学生とそれ以外の学生では、教職相談室の利用回数に大きな差が見られた。教員採用試験に最終合格した学生の教職相談室の平均利用回数は8.76回であったのに対して、1次試験のみ合格の学生の平均利用回数は7.31回であり、合格しなかった学生の平均利用回数は4.14回であった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012高度な専門性と実践的な指導力を有する教師の育成プログラム「教師力養成講座」の開発(3)-全学教職課程の構築に向けた教職相談室機能の拡充-144153ENYasumichiMatsubaraKiyoshiOgawaFumioYamaneMitsuhiroYamasakiHiroshiTakahata10.18926/CTED/48203教師力養成講座は、学生のニーズや不安感に関わるテーマについて現場のトップリーダーとして活躍されている現職校長・教員から、その本質と課題解決に向けた取り組みの状況を迫力ある生の言葉で学生に語りかける形で行われた。学生達は、その生の言葉に魅了され、勇気がわき、教師の使命と責任の大きさ、そして、教職に真剣に向き合うことから生まれる充実感に気づいてきた。センターが全学化されたことにより、教育学部以外の学生の積極的な参加が目立つようになり、教育学部生にも刺激となっている。DVDに録画、編集したものを参加できなかった学生たちに視聴させている。徐々に、視聴する学生が増加しDVDの有効性が感じられる。来年度はDVDを一層活用させ教師力の育成に役立てたい。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012児童の予測と推論をうながす教材と活動構成の工夫136143ENMitsuhiroYamasaki10.18926/CTED/48202平成20年の学習指導要領の改訂を受けて,小学校理科では自然の事物・現象についての要因や規則性,関係を推論しながら調べたり,考察したりすることが重視されている。一般的な問題解決の過程では,予想や仮説,考察による結論がこれに当たるが,これらが形骸化しているという指摘がある。明確な予想と仮説を持つことができるようにしたり,推論としての結論を一般化された要因や規則性,関係としてとらえることができるよ
うにするためには,推論を基にした予測の場面を意図的かつ合理的に授業に位置付けることが望ましいと考えた。本稿では,予測の場面を意図的かつ合理的に授業に位置付けるための教材と学習活動を二つの授業場面で工夫し,実践の中で明らかになった児童の実態と工夫した教材と学習活動の成果と課題について述べることにする。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012「母校訪問」を核とする全学教職課程初年次プログラムの成果と課題126135ENDaisukeGotoHiroshiTakahataTakeshiKashidaTomotakaMishimaEijiEgiKayokoSodaKayoTakahashiMasaruKaga10.18926/CTED/48201岡山大学は全学の教職課程を担う「教師教育開発センター」を平成22年度に創設し、学部の枠を超えた教員養成教育の質保証に取り組んでいる。教育実習事前事後指導や教育実習ならびに教職実践演習(平成25年度から実施)等を中心とする「全学教職コア・カリキュラム」の企画・運営だけではなく、これらの科目の教育成果とその課題を検証し、FD的視点に基づくカリキュラム開発と改善とを進めている。「母校訪問」とは、教育学部以外の学生(文学部、法学部、経済学部、理学部、工学部、環境理工学部、農学部、マッチングプログラムコース)のうち、改正後の教育職員免許法が適用される平成22 年度以降入学生(現1、2年生)を対象に、センターが独自に開発した1年次生対象のプログラムである。本稿ではその成果と課題の検証を通して、いわゆる「開放制」と「大学における教員養成」の原則に基づいた教員養成教育の可能性を検討する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012岡山大学理学部におけるe-ラーニングシステムの導入と運用120125ENJunjiYamakawaTsugioShibata10.18926/CTED/48200岡山大学理学部ではe-ラーニングシステム(理学部LMS)が導入され運用されている。理学部LMSの導入に際しては商用またはオープンソフトウェアの様々な学習管理システムを調査し,Moodleが採用された。理学部でのMoodleはセキュアで信頼性の高いPCベースのGNU/Linux,Apache,MySQLおよびPHPが稼動するコンピュータによって運用されている。理学部LMSを使用するための初期コストは,学部を構成している教員と学生の持つ利用能力に応じて可能な限りコストパフォーマンスを高める様にデザインされた。LMSとして採用したMoodleがベースとしている社会構築主義は講義を改善する強力なポテンシャルを有するが,理学部LMSシステムの有効性はユーザの能力によって制限されるかもしれない。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-1323220121年次教育実習プログラムの成果と課題の検討―平成23年度教育実習Ⅰ受講生アンケートの結果から―112119ENTomotakaMishimaMitsuhiroYamasakiHiroshiTakahataMasamiSekineMasakatsuWatanabeTetsuyaAkazakiYasukoShibataAkikoKishiYasukoOhtaMasaruKaga10.18926/CTED/48199本研究の目的は,岡山大学教育学部における1年次の教育実習プログラムの成果と課題の検討であった。そのため,平成23年度の教育実習Ⅰ受講生294名を対象に実習後に調査を行った。その結果,(1)教育実践力を構成する4つの力や附属学校園における実習目的の多くが達成されている,(2)4つの力のうち「コーディネート力」「生徒指導力」の達成度が特に高く,「学習指導力」の学校種ごとの学習指導の特徴や違いを説明することは達成度が低い,(3)附属学校園が掲げる目的のうち,観察して学ぶことの達成度が高いが,実際に児童生徒
と関わって学ぶことの達成度は低い傾向である,(4)実習中の実習生の取り組みに関しては,授業観察において事実を観察,記録することは取り組めているが,解釈的な授業観察や,協議会での発言は十分取り組めていない,の4点が主に示唆され,実習Ⅰの課題や不安に対する学生の自由記述と併せて結果が考察された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012加法・減法の逆思考問題についての一考察 : テープ図からの演算決定の難しさ102111ENYasuhisaHirai10.18926/CTED/48198小学校2年生の加法・減法の逆思考の問題について,新学習指導要領対応の算数教科書とそれ以前の教科書の該当単元の構成を比較検討した.さらに,小学校2年生の理解度について調査した結果をもとに,新教科書の記述内容について議論した.その結果,①順思考の段階でのテープ図,②数図ブロックからテープ図までの対応,③問題場面からテープ図への対応,④テープ図から式への対応(演算決定)のそれぞれについてまだ課題が残されていることがわかった.No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012意思決定を促す小学校社会科授業方略―ロールプレイングによる価値の共感的理解と吟味を手がかりに―92101ENNaokiSugitaToshinoriKuwabara10.18926/CTED/48197本研究は、小学校社会科授業において、市民的資質育成には不可欠である意思決定力を育成するための授業方略を明らかにし、その具体的なあり方を授業計画の立案を通して示そうとするものである。現在、各学校段階で意思決定過程を取り入れた様々な授業実践が見られるようになっている。しかし、児童の価値認識にまで効果的に関わっている実践は見られない。その理由の第一は、授業で扱う社会問題の取り上げ方が表面的なものにとどまり、その背後にある価値対立にまで踏み込めていないことである。第二に、児童自身の価値観が十分に確立しておらず、教材に含まれる価値対立を自己のそれと比較検討していくことが困難であるということを挙げることが出来る。以上の二点の課題を克服するため、ロールプレイングによる共感的理解の過程と、自己の価値観の吟味の過程を組み込んだ小学校社会科における意思決定学習を提案していく。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012持続可能な社会についての認識形成をめざす小学校環境学習単元開発研究―世代間の公平性に着目して―8291ENAkiraMoriyaToshinoriKuwabara10.18926/CTED/48196本研究は、小学校環境学習において持続可能な社会についての認識形成を図る授業構成の原理と、それをふまえた具体的な授業プランを提案しようとするものである。持続可能な社会を論じる視点はいくつか考えられるが、本研究においては、世代間の公平性に着目し、それを実現し得る社会とはどのようなものか、そのために何が必要かを児童自身に考えさせる授業を提案していく。授業の題材は、倉敷美観地区の伝統的な町並み保存活動である。その活動を支えているものは何か、活動は何を目指しているかを捉えさせることで先の目標を達成していきたい。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012権力概念の転換をめざした中学校社会科公民学習の開発7181ENHirohisaTabuchiToshinoriKuwabara10.18926/CTED/48195本研究は、中学校社会科政治学習において権力に対するより間違いのない見方考え方の習得を妨げているのは、生徒のどのような認識であるかを明らかにしたうえで、それを修正するための授業を提案しようとするものである。権力概念の転換をめざすために本研究では二つの視点を重視した。第一は、政治学習における見方考え方の習得の際に妨げとなっていると思われる生徒が持っている常識的な見方考え方を、実証的に明らかにしていくことである。第二は、生徒の発達段階に留意し、政治的な見方考え方の系統性を仮説的に示すことである。以上の二点に焦点を当てたうえで、権力概念の転換をめざした中学校政治学習の単元を提案する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012歌唱指導における教師力の育成について~免許状更新講習の実践を通して~6070ENRinkoHayakawaMasakoMushiaki10.18926/CTED/48194教員免許状更新講習の実践内容と,受講者の事前および事後アンケートの分析を中心に,歌唱指導における教師力の育成について考察を行なった。受講前には,歌唱指導に問題意識や苦手意識を持っている教師らが多く,指導法に関しても,すぐ現場で使えるような発声法や指導法を求めている教師らが多かったが,講習により,①問題意識・苦手意識の緩和,②歌唱指導についての考え方の転換,③歌唱指導についての知識や技能の獲得,④歌唱指導( 音楽の授業) への意欲の喚起の4点の成果が得られたことが明らかとなった。特に,理論と実践を関連させながら,多角的な声へのアプローチをしていくことが,歌唱指導における教師力の育成につながると考えられた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012児童生徒の暴力行為への理解力を高める教師教育教員養成段階並びに現職教員研修における教育・研修内容の開発5059ENJunichiWatanabe10.18926/CTED/48193ここ数年児童生徒の暴力行為の増加が続き喫緊の課題となっている。暴力行為を予防し適切な指導・援助をするためには言語的な攻撃等も含めた攻撃行動自体を対象にし、その行為に及ぶ児童生徒を十分に理解することが基本となる。このような考えのもと、教員養成段階にある学生と現職教員の、児童生徒の攻撃行動に対する理解の実態を事例を用いて調査した。その結果、攻撃行動の理解の基盤となる四つの理論的視座―精神力動的、行動主義的、認知主義的、神経生理学的―のいずれからの理解にも課題のあることが明らかになった。また、児童生徒の攻撃行動を理解するための学習機会は、教員養成段階にある学生にも現職教員にも必ずしも多くないことが想定された。そこで、両者の理解力を養成・高度化するために、四つの理論的視座にコミュニケーションの視座を加えた教育・研修内容を開発し提案した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012大学英語授業における読解能力向上に関する一考察 : 多読・精読の有効性と課題点をめぐって4349ENMasaruOgino10.18926/CTED/48192近年まで大学の教養英語の読解の授業は、精読中心に行われてきた。しかし最近、主に日本人以外の英語教員によって多読の授業が展開されてきている。それは、Graded Readers 等の平易な英語で書き直された本を、学生が自分の英語能力のレベルに応じて自由に選択して読むという授業形態だが、学生にもおおむね好評のようである。しかし、英文を正確に読むという点では、精読も欠かせない。多読と精読の議論は以前から行われているが、本論ではもう一度、多読と精読の有効性と課題について整理し、1)英語嫌いに悩む学生、2)英語嫌いではないが英語を苦手とする学生、3)英語にある程度の自信を持つ学生に効果的な授業および学習方法を考察する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012心理教育的アプローチに対する教育現場の実態とニーズ3342ENYumikoOkazakiMikayoAndo10.18926/CTED/48191小中学生の不登校・いじめ・暴力行為などの問題行動は,学業や友人関係と関連していることが報告されており,それらに対する対策として心理教育的アプローチの重要性が認識されつつある。そこで本研究では,学校における児童生徒の能力や特性の実態を理解するとともに,心理教育的アプローチの現状と課題を検討することを目的とした。小学校教員489名,中学校教員387名を対象に,教員から見た学校生活で不足している児童生徒の能力や特性,心理教育的アプローチの実施状況について調査を行った。その結果,小中学校教員の半数以上が自己コントロールや対人関係に関する力が,児童生徒に不足していると感じていた。心理教育的アプローチについては,必要性を認識しているものの,実施するための時間的,人的,資源的な課題や,教育の機会に関する課題があることが示された。今後は,研修や専門家との連携などを進めていくことが必要であると考えられた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012幼稚園教育におけるティーム保育の教育的妥当性2432ENNorikoBabaAyakoNakahiraToshiyukiTakahashi10.18926/CTED/481901998(平成10)年の『幼稚園教育要領』の改訂に伴い、『幼稚園教育要領解説』の中で、「幼稚園全体の協力体制を高め、きめの細かい指導の工夫を図るために、ティーム保育の導入などが考えられる」と明記された。長年にわたり、幼稚園教育における学級運営は、一学級一人担任制が一般的である。しかし、現在の多様な保育ニーズを考慮しても、多様な個性を持つ幼児に対するきめの細かい指導が、一学級一人担任制で担えきれるとは考えにくい。本論は、幼稚園教育における一学級一人担任制の問題点を明確にし、その打開策の一つとしてティーム保育導入の教育的妥当性について考察するものである。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012コミュニケーション行為による自己肯定感向上に関する研究 : キャリア教育の視点からみた道徳授業実践を通じて1423ENKiyohiroSakudaYoshikazuNakayama10.18926/CTED/48189長引く不況や絶え間なく変化する社会の中,子ども達にとって将来の夢に不安を隠せない現状がある。また,自分でどのように判断し,生き抜けばよいか分からなくなったり,自信をなくしたりして,将来を生きる希望すら見失うことも少なくない。こうした不安感から自分自身の心に自信と希望を目指していくことで,夢や目標を抱き,生きる喜びを感じられるようになる。そのためには,キャリア的視点からみた道徳性を育んでいくことが重要であると考える。本研究では,充実したコミュニケーション行為によるキャリア的視点からみた道徳授業を実践することにより,人の心の中にどのような心情がめばえ,将来への展望をもつことができるかについて検証した。また,よりよいコミュニケーション行為の確立によって,それぞれの道徳的価値がどのように変化し,自己肯定感の向上に結びつくかについて明らかにした。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132322012顕著な大雨日の出現状況に注目した20 世紀の梅雨降水変動に関する探究的授業の開発(九州の長崎を例に)113ENMikiKurataKuranoshinKatoKazuoOtani10.18926/CTED/48188梅雨降水量の多い西日本の長崎を例に,20世紀の梅雨降水変動に関する探究的授業の開発を行った。本学習プランは,高校の『地学基礎』,『地学』,『地理』をも念頭に置いたものであるが,岡山大学教育学部の「生活科内容研究A」の1コマ分を使って研究授業を行い,その結果を分析した。気候学的に梅雨が明ける7月後半頃には『無降水日』も多いが,その時期にも主に梅雨前線活動に関連した『顕著な大雨日』がしばしば出現する。授業では,そのような点を探究的に見出すことを目標とし,7月後半頃の日々の大雨日及び無降水日の出現状況やそれらの梅雨最盛期との違い,7月後半頃の顕著な大雨日における気圧配置の特徴などを,6~7月の日々の降水量データ表などに基づき読み取る作業・考察を学習活動の中心に据えた。本稿では,取り扱った現象の特徴,授業の概要,分析結果などについて報告する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013全学教職課程における「教職実践演習に向けての取組」―教科専門科目担当教員の意識に着目して―171178ENTsuyoshiKashidaHiroshiTakahataEijiEgiKayokoSodaTomotakaMishimaDaisukeGotoMasaruKaga10.18926/CTED/49519 岡山大学教師教育開発センター(以下,センター)は,全学教職コア・カリキュラム(以下,全学コア・カリ)の研究・開発と運営を行っている。教職実践演習については独自で開講する教育学部を除く7課程認定学部とセンターが協働して本格実施に向けた準備を行い,平成23年12月には「全学教職実践演習授業計画(案)」(以下,授業計画(案))を作成し,認識の共有化を図っている。一方で,各教職課程運営委員(以下,運営委員)からは学部内での説明や周知に関して不安や困難を述べる声も多く挙がった。そのため,平成24年2月にFD研修として教職実践演習のプレ試行を実施した。その結果,イメージがわくという成果と,教科専門科目担当教員(以下,教科教員)がどのように授業へコミットすればよいかという不安等の課題が顕在化した。そこで,教科教員が有している期待や不安等の意識を調査することにより,授業を構築するための成果と課題を明らかにした。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013教員志望学生の指導のあり方(5)―教職相談室の利用の実態から―162170ENKiyoshiOgawaYasumichiMatsubara10.18926/CTED/49517 教職相談室では主に教職志望の学生を対象に,小論文,集団討論,集団面接,個人面接,模擬授業など,教員採用試験に関する指導を中心とした様々な相談活動を行っている。今年度は,小論文指導において内容面を充実させるための指導の改善を行った。その結果,小論文を書いてくる学生が増加するとともに,小論文を書くことで培った力を面接にも生かすことができた。また,教員採用試験に最終合格した学生とそれ以外の学生では,教職相談室の利用回数に大きな差が見られた。教員採用試験に最終合格した学生の教職相談室の平均利用回数は15.94回であったのに対して,1次試験のみ合格の学生の平均利用回数は10.32 回であり,合格しなかった学生の平均利用回数は2.83回であった。更に,教職相談室に12月以降の早い時期に利用開始した学生ほど教員採用試験の合格率が高くなることが明らかになった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013附属中学校における学校保健委員会の取組み―養護実習への活用を視野に入れて―152161ENYasukoOtaHirokoKamimuraHokumaMunakataKayokoMiyamotoShinichiroMonden10.18926/CTED/49516 岡山大学教育学部附属中学校における学校保健委員会の取組み,および学校保健委員会の資料の養護実習への活用について報告する。附属中学校の学校保健委員会は,①学校保健活動の全体像が理解されること,②課題が明確になる資料を工夫すること,③関係者の共通理解が図られること,の3つの視点から取組まれており,このことが日々の学校保健活動に対する有効な施策を協議するために重要であった。学校保健委員会の資料は同時に,養護実習において学生が学校保健活動を理解するための教材として活用できる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013教職情報提供サービス「岡大教職ナビ」における成果と課題143151ENDaisukeSatohFumioYamaneShigenobuTakatsukaMasaruKaga10.18926/CTED/49515 岡山大学教師教育開発センターでは,教職情報提供サービス「岡大教職ナビ」の提供を平成23年11月より開始した。岡大教職ナビでは,NetCommons を活用して教職課程・教務関連情報やボランティア情報,各種イベント情報や教員・講師等募集情報,教員採用試験関連情報等をウェブサイトやメールを通して随時提供している。そこで開始より1 年間の経過を機に,利用者を対象としサービスの向上と改善を目的としたアンケート調査を実施した。その結果,多くの利用者が当サービスの必要性を感じながらも,有用性については実感できないことが判明した。その理由としては,個々のニーズに応じた情報提供がなされていない現状が浮き彫りとなった。そこで当センターとして利用方法の周知徹底と,情報の分類,配信方法の改善を検討し,更なるサービス向上に向けて対応する必要がある。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013特別支援学校での心理教育“ サクセスフル・セルフ”を用いた個別支援133142ENNaokaMizushimaMikayoAndo10.18926/CTED/49514 特別支援学校には,情緒が不安定になったり,対人関係において様々な適応困難を抱えたりする児童生徒も在籍している。そのため学習指導要領においても,「自立活動」という領域が設定されており,6つの区分「健康の保持」,「心理的な安定」,「人間関係の形成」,「環境の把握」,「身体の動き」,「コミュニケーション」の指導内容が示され重視されている。その実践としては種々の方法が用いられ,集団や個別での支援が行われている。心理教育“サクセスフル・セルフ”は,小中学校の児童生徒において心理行動上の問題を予防し,心の健康を育むことが報告されている。そこで本研究においては,特別支援学校の生徒に対し,心理教育“サクセスフル・セルフ”を用いた個別支援を行った。その結果,心理的安定と人間関係の形成に対する力をつけることに効果があることが示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013高度な専門性と実践的な指導力を有する教師の育成プログラム「教師力養成講座」の開発(4)―実践的な指導力を有する教師の育成―125132ENYasumichiMatsubaraKiyoshiOgawa10.18926/CTED/49513 平成21度より,年6回のペースで始めた本講座は,今年度で4年目となった。当初は,学生たちが,教員採用試験に合格したにもかかわらず,現場に出ることに不安感を持ち,相談に訪れることから,教師力をつけて,自信を持って卒業していけるようにしてやりたいと考え,この講座を立ち上げたものである。
現在は,その上に,現場からも,社会的にも,即戦力としての新採用教員が求められており,その意味で,実践力のある教員として卒業させることが大切だと考えた。その内容を報告する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013中級後半および上級前半の学習者を対象とした地域文化・産業を学ぶ日本語教育の試み117124ENYukakoUchimaru10.18926/CTED/49512 本稿は中級後半および上級前半の日本語学習者を対象とした文化クラスでの実践報告である。日本刀,ジーンズ・学生服などの繊維産業,団扇と扇子,麺文化の比較と伝統製法のそうめん,B級グルメと地域の農産物・海産物,といった地域の文化・産業に根差したトピックをとりあげた。このクラスの特徴は,留学生だけでなく,副専攻日本語教育コースの学生と国際交流に興味を持つ日本人学生がボランティアとして授業に参加している点にある。協働学習およびプロジェクトワークが留学生にどのような刺激を与えたか,このような形式のクラスを運営する上での課題は何かをアンケート調査から明らかにする。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013仮説の提示と吟味の方法の工夫による小学校社会科授業改善107116ENNaokiSugitaToshinoriKuwabara10.18926/CTED/49511 本研究は,仮説の提示と吟味の方法の工夫により,授業の中で子どもたちが主体的に仮説の確からしさを高めていく授業構成を提案することを目的としている。現在,小学校段階においても森分孝治の提唱する探求学習が多く取り入れられ,科学的社会認識形成が目指されている。しかし,探求学習には,小学校で実施するには困難な部分がある。その第一は,仮説を提示させるための教師の具体的な手立てが示されていない点である。ただ子どもに発問をするだけでは,既有知識の少ない小学生では答えることが難しい。第二に,仮説の誤り排除が困難であるという点である。反証事例としての事実を認識し探し出すことは,小学生には難しい。以上の二点の課題を克服するため,C.S. パースのプラグマティズムにおける探究の理論をもとに,仮説の提示を促し,探求学習の検証過程に代わる新たな認識形成の方法を組み込んだ小学校社会科の授業構成を提案する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013科学的に探究する能力の育成のために自然科学研究の手順の模擬体験を取り入れた高等学校理数科用授業プログラムの開発98106ENYoshihikoInada10.18926/CTED/49510 スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校や理数科で実施する課題研究を充実させるために,自然科学研究の構成方法を実践的に学ぶことのできる授業を開発し試行実践した。自然科学分野での研究者養成で日常的に行われているOn the Job Training (OJT) を模した授業展開を構成し,実験・観察や研究をデザインするときに必要な要点を伝えることを目指した。素材として蒸発潜熱を測定する実験を用い,SSH 指定校である岡山県立倉敷天城高等学校の理数科1年生39名を対象に7時間の授業実践を行った結果,科学的な仮説の設定方法や思考と発想のポイントを含めた研究の進め方の理解が進んだという結果が得られている。一方で,班内で積極的に議論しながら実験を進める姿勢には大きな向上は認められなかった。議論の場面を強制的に設定するだけでなく,議論を促す仕掛けが必要とされる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013理想の教師像についての調査研究(2) : 学校長等のインタビューから9097ENFumioYamaneKatsuhikoKida10.18926/CTED/49509 岡山市内の幼稚園・小学校・中学校・高等学校及び特別支援学校の校長等に行った「理想の教師像」についてのインタビューにおける発言内容を分析し,新採用教員等若い教員に求める資質能力を明らかにした。また,学校長等の発言内容を中教審答申「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策」において示された資質能力に基づいて分類し,校種間での比較・検討を行った。その結果,全校種の学校長等が重要であると考えている資質能力は,「総合的な人間力」のうちの「豊かな人間性や社会性」及び「コミュニケーション力」であった。幼稚園長・小学校長の発言には,「教職に対する責任感,探究力,教職生活全体を通じて自主的に学び続ける力」に分類された言葉が多かったのに対し,中学校長・高等学校長の発言には,「専門職としての高度な知識・技能」に分類された言葉が多かった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013全学教職課程の質保証に関する実証的研究(1)―平成22年度入学生の経年変化を中心に―8089ENHiroshiTakahataDaisukeGotoTomotakaMishimaTsuyosiKashidaEijiEgiKayokoSodaKayoTakahashiMasaruKaga10.18926/CTED/49493 教育学部を除く7つの課程認定学部(文,法,経,理,工,環境理工,農)とマッチング・プログラムコースに所属し,次年度(平成25年度)に「教職実践演習」の対象となる現3年生(平成22年度入学生)の,入学時から現在に至る教職志向並びに教育実践力に関する自己評価の経年変化を検証する。基礎データとして,教育学部・大学院教育学研究科との連携・協働によって教師教育開発センターが作成した教材「教職実践ポートフォリオ」を用いる。これは全学教職課程を履修する全ての学生が,自らの学習を記録し,その教育実践力の育ちを可視化するツールである。ここに現れたもののほか,センターが独自に開発し実施した意識調査の結果を用いつつ,総合大学における教員養成教育の質保証とカリキュラム・マネジメントのありかたを検討する。なお,本文中で「全学教職課程」と表記する場合は,上記の7学部とMPコースを対象とした教職課程のみを指すものとするNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013日本とドイツの前期中等教育段階における物理教育-現行教科書の比較考察-7079ENKenjiTanakaMasahiroMatsui10.18926/CTED/49490 ドイツ・ザクセン邦のギムナジウム中級段階の教科物理と日本の中学校の教科理科における物理分野に焦点を当て, 教科書などを手がかりにし, 比較を行い,期間・広がり・詳しさにおいて,違いを見いだした。ドイツでは第6学年から5年間にわたり通年で,日本では第7学年から3年間各学年限られた期間だけ学習されている。週授業時間数の合計はドイツの方が多い。ドイツでは,電磁気学・波動・力学・熱力学・天文学・原子物理学の分野があるが,日本では,電磁気学・力学・波動しかない。ドイツでは,内容に繰り返しと連続性があり,日本ではほとんどない。索引の密度を比較すると,ドイツは日本より大きい。実験に関しては,日本では代表的な実験を授業の中で実施するよう位置付けられているのに対し,ドイツでは多様な実験から自主的に選び実施することができるようになっていることで違っている。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013インクルーシブ教育に対する教員養成カリキュラム開発の動向と実際 : ハワイ大学マノア校における同時履修プログラムを中心に6169ENMunehisaYoshitoshiKirikoTakahashi10.18926/CTED/49489 インクルーシブ教育の取り組みが世界的な趨勢となっている。一方で,通常教育教員は,障害のある子どもを指導するための準備が必ずしも十分でないと感じており,インクルーシブ教育に関する知識やスキルの養成が大きな課題となっている。すなわち,インクルーシブ教育の展開に即した教員養成カリキュラムの開発が求められており,学習の内容や方法の検討が必要となっている。本稿では,インクルーシブ教育を先駆的に実践してきたアメリカ合衆国の取り組みに注目し,通常教育教員に対する特殊教育スキルの養成に関する全国的な動向を概観した。また,大学における具体的な教員養成カリキュラムの試みとして,州立ハワイ大学マノア校における同時履修プログラム(Dual preparation program)の基本的な内容について報告した。そして,わが国における新たな教員養成システムの展開に向けた検討材料を提起した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013保育所保育における保育士の資質の問題点と課題5260ENAyakoNakahiraNorikoBabaToshiyukiTakahashi10.18926/CTED/49487 平成20年度厚生労働省告示の『保育所保育指針』第7章に,職員の資質向上が記載されている。保育士の資質向上の必要性は,今日,保育関係の研修会や学会等で多く述べられている。本論では,なぜ,資質向上が求められているのかを,保育士養成施設や保育現場に関する文献から,保育士が置かれている環境や現状や実態を明らかにすると共に,資質がどのような問題と関連しているのかに焦点を当て,保育士の資質向上に向けての打開策を考察するものである。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013「学生オペラ」を通した文化活動の推進(2)―教員と学生の内的評価の分析を中心に―4251ENMasakoMushiakiYokoOgawaRinkoHayakawa10.18926/CTED/49486 「学生オペラ」の発信は,教育現場で活躍できる人材育成と,岡山大学を文化活動の拠点とした文化・芸術活動の盛んな地域づくりを目指すことを目的として実施したものである。本稿では,(1)に引き続き,その取り組みの意義と課題について,教員(指導者)と学生の内的評価の分析を中心に考察を行った。学生対象のアンケート結果からは,全体の88%の学生が参加してよかったと感じており,また,教員養成におけるオペラ活動の意義を良い経験であると感じている学生は97%であった。大半の学生が,オペラのような総合的且つ横断的な分野の経験は,教育現場で活用でき,協調性や自主性を伸ばすことにもつながると考えており,活動の意義を共有していることがわかった。教員(指導者)のアンケート結果からは,それぞれの役割を発揮できたという連携の意義と,物理的体制の強化について課題が確認された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013「学生オペラ」を通した文化活動の推進(1)―連携,革新,フィードバックの視点から―3241ENRinkoHayakawaYokoOgawaMasakoMushiaki10.18926/CTED/49485 「学生オペラ」の発信は,教育現場で活躍できる人材育成と,岡山大学を文化活動の拠点とした文化・芸術活動の盛んな地域づくりを目指すことを目的として実施したものである。本稿では,約半年間の準備期間の様子とその成果を報告し,筆者らが取り組んださまざまな連携のあり方と課題について考察した。連携に関しては,①教育学部内の教員の連携(教科内容専門の教員と教科教育専門の教員),②附属学校との連携,③他学部との連携,④地域や卒業生との連携に焦点を当てて検討した。また,オペラ終演後に実施したアンケート結果からは,来場された多くの方が非常に満足されており,これからも継続してほしいと要望していることが明らかになった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013理科教育におけるWebベースの対話型3次元結晶構造教材2731ENJunjiYamakawa10.18926/CTED/49484 理科教育におけるWeb ベースの対話型3 次元結晶構造教材としてX3D 形式あるいは3D PDF を使ったシステムを比較検討した。どちらの形式もe- ラーニングシステムと高い親和性を持ち,また初学者と専門家の空間概念の把握に関するギャップを埋める教材として優れていると考えられた。データの継続使用を考えた場合,オープン規格であるX3D 形式と対応Web ブラウザを用いるシステムが適していた。一方,高品位な印刷が必要な場合は3D PDF とAdobe Reader を組み合わせたシステムが適していると考えられたが,将来に渡る継続利用を考慮した場合,このシステムはプロプライエタリである点に留意して運用しなくてはならないだろう。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013豪雨の出現頻度に注目した梅雨降水の気候学的特徴に関する探究的授業の開発(日降水量データを用いた附属中学校での実践)1726ENKuranoshinKatoNobuhikoHigashi10.18926/CTED/49483 梅雨は,アジアモンスーンの影響を顕著に受けた現象の一つである。本研究では,豪雨の起こり方に注目した日降水量データの分析活動や気象衛星画像の観察など通して梅雨について学ぶ学習プランを開発した。これは中学校理科での「日本の四季の天気」に関する探究的要素も含めた授業提案であるが,高等学校の『地学基礎』,『地学』,『地理』における活用も視野に置いた。研究科教員による附属学校園への相互乗り入れ授業の一環として,岡山大学附属中学校1年生を対象に授業実践を行い,結果について検討した。西日本では,東日本と違い,『大雨日』が頻繁に出現することを反映して,気候学的に総降水量が大変多くなる。授業では,そのような特徴の一端を九州の長崎と関東の東京の6〜7月における1971〜1998 年の日降水量の表から読み解く作業・考察を,中心的活動の一つに据えた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013音楽が情動におよぼす影響と音楽的行動の発達 : 広汎性発達障害児に対する音楽を用いた支援のための知見1016ENRieYokouchiSatoshiSanada10.18926/CTED/49482 本研究では,音楽を用いた支援を行う際の基礎的条件になると考えられる音楽の三要素が,情動におよぼす影響について検討し,さらに,乳幼児期の音楽的行動の発達についても既報論文に基づいて展望的研究を行った。リズムは人と人との情動的結びつきを強化させ,メロディーは安心や懐かしさを感じさせ,ハーモニーは心理的あるいは身体的な緊張と弛緩を生み出すことが示唆された。音楽的行動の発達では,スプーンでものを口に運ぶ18か月ごろからタンバリンを振り鳴らす行動が見られ,ひもを結ぶなど手指の分化が著しくなる5 歳ごろから旋律楽器での分担奏が可能となることなどが示唆された。効果的な支援を行うためには,音楽の三要素の特性を理解し情動的影響を企図した支援を行なうこと,音楽的行動の発達過程を参考に対象児の音楽的技術の獲得水準を判断した楽器や曲の選択が重要であることを提言した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132332013今,岡山の学校教育は 中学校現場で起きていること,そして改善に向けて19ENHideakiIwadou10.18926/CTED/49481 文部科学省の調査(児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸課題に関する調査H24)によると,岡山県内の小・中学校の暴力行為,不登校の出現率が全国比較では大変高く,学力・学習状況調査でも国語,数学ともに通過率が低いことが報告され,憂慮される事態にある。その原因は複雑多岐に渡っており,教育委員会や学校現場は解決に向け総力をあげて取り組んでいるが、大変困難な状況が見られる。県下の教育関係者すべては当事者意識と責任をもってかけがえのない一人ひとりの子どもたちに焦点を当てた本来の教育を再生することが急務である。
私は,平成23年3月に中学校長を最後に定年退職し,現在は教育現場を離れているが,現役時代(幼・小・中学校・特別支援学校)を自己反省する意味も含め,中学校を中心としてその現状と改善に向けた方策についてまとめてみた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014保育者の学習障害幼児に対する理解143149ENRieMurakami (Yokouchi)MasafumiYanagihara10.18926/CTED/52299 本研究は,保育士が学習障害の行動特性をどのように認識しているのかを探ることを目的としたものであり,あわせて,その認識の仕方を規定する要因についても検討を加えた。発達検査や健康診査票の問診項目を参考にして作成した調査票を用い,将来学習障害の症状を呈すると思われる幼児が,在園中にどのような行動を示すかについて保育士に評定を求めた。得られた回答を用いてクラスター分析を行った結果,運動機能,行動抑制,言語理解,知的機能という4つのクラスターを抽出することができた。各クラスターの平均得点からは,保育者が知的機能の発達に関する行動特性を学習障害と結びつけて捉えていることが明らかになった。保育士の学習障害に関する知識,学習障害児との接触経験の有無,および経験年数は,いずれも行動特性の理解を左右するものではないと考えられた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014附属小学校における保健指導の展開 : 指導の実際を養護実習にいかす133142ENHiroeHondaKazuakiKitaharaMihokoMitoHirokoKamimuraHokumaMunakataKayokoMiyamotoShinichiroMonden10.18926/CTED/52298 附属小学校において,日頃の保健室で児童との関わりから気づいた課題と体育科保健領域とのつながりを意識しながら,歯・口を題材に,からだの発育発達についての保健指導を行った。同時に,養護教諭養成をになう附属小学校として,保健指導に取り組む際のプロセスを明確にすることを目的に,実践の振り返りを行った。指導計画の作成から実践までの過程を,児童の学び,授業者の反省,学級担任の評価についてまとめ,保健指導の展開にいかす視点を検討したので報告する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014全学教職課程における「教職実践演習への取組」(2): 試行の成果と課題及び本格実施の実際123132ENTsuyoshiKashidaHiroshiTakahataTomotakaMishimaEijiEgiKayokoSodaDaisukeGotoDaisukeSatoFumioYamaneMasaruKaga10.18926/CTED/52297 岡山大学では,平成25年度後期より本格実施する教職実践演習に向けて,独自で通年開講する教育学部を除く7課程認定学部と教師教育開発センター(以降,センター)が協同して準備を行っている。平成24年度後期に教育学部以外の教職希望学生を対象に15講からなる教職実践演習(以降,全学教職実践演習)の試行を実施した。試行は参加学生へのアンケート調査や授業担当者の反省会で得られた意見より,概ね期待された効果が得られた。一方,試行に参加した学生が教育実習後と比較し伸びているのか,必修科目になれば教職を目指さない学生が混じるため試行ほど成果が期待されないのではないか,等の課題が指摘された。試行の反省を基に,平成25年度前期には受講生向けに「全学教職実践演習ガイドブック」を,40 名近くの指導者向けに「全学教職実践演習ハンドブック」を作成した。本稿では試行の成果と課題及び本格実施の実際について報告する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014全学日本語コースレベル設定とACTFL-OPI117122ENAkemiMoriokaEriBannoYukakoUcnimaru10.18926/CTED/52296 岡山大学言語教育センターの全学日本語コースでは,初級から上級まで7レベルのクラスを提供しているが,このレベル設定の妥当性を検討するには外部基準に照らすことが適当と考え,そのひとつとして,ACTFL(American Council for Teaching of Foreign Languages) のOPI (Oral Proficiency Interview) を行った。ACTFL-OPI は様々な言語の「話す能力」測定法として確立され活用されているインタビュー方式の試験であり,ACTFL に認定されたテスターによってなされる。本稿では,全学日本語コース履修生を対象に行ったACTFLOPIの実施方法及び結果を報告し,全学日本語コースの各レベルと ACTFL-OPI の対応について述べる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014教職志望学生の指導のあり方(6): 教職相談室の利用の実態から107116ENKiyoshiOgawaMikioButoSeitaroKobayashi10.18926/CTED/52295 教職相談室では主に教職志望の学生を対象に,教員採用試験に向けての指導を中心とした様々な相談活動を行っている。これまでは2名の教員で指導を行っていたが,今年度は新たに1名の教員が増員された。また,今年度新たな試みとして,夏季休業中の閉校期間中に3日間開室した。これらの結果,年間利用延べ人数が増加した。また,教員採用試験に最終合格した学生とそれ以外の学生では,教職相談室の利用回数に大きな差が見られた。採用試験に合格した学生の教職相談室の平均利用回数は19.68 回であったのに対して,1次試験のみ合格の学生は11.18 回,合格しなかった学生は2.98 回であった。更に,教員採用試験を受験する前年の12月以降の早い時期に利用開始した学生ほど合格率が高くなる傾向にあった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014高度な専門性と実践的な指導を有する教師の育成プログラム 「教師力養成講座」の開発(5): 実践的指導力を有する教師の育成97106ENMikioButoKiyoshiOgawaSeitaroKobayashi10.18926/CTED/52294 「教師力養成講座」の実施は,本年度で5年目を迎えた。採用試験に合格した学生は,昨今の教育現場で課題となっている学級崩壊,いじめ,不登校などの情報を耳にしたり,自分自身の指導力や経験の不足を自覚したりして,教壇に立つことへの不安感を強めている。一方,時代の流れの中で,教育現場や社会からは,即戦力としての新採用教員が求められている。この講座は,学校現場で実践されている前向きな取り組みをしっかりと伝えることで,学生の不安感を軽減し実践的指導力を高めることをねらいとして取り組んできた。少しずつ改善を図りながら歩んできた平成25 年度の本講座の内容を,受講者数や受講者のアンケートを手がかりにして振り返り,第6回講座までの内容を報告する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014L-café(ソーシャル・ラーニング・スペース/ 言語カフェ)における「スチューデント・ティーチャー」制度についての検証9096ENMarikoUzukaJunkoOtoshi10.18926/CTED/52293 平成25年5 月に岡山大学に新規オープンしたソーシャル・ラーニング・スペースL-café では,教員の教育・指導のもと同じ大学生(留学生や上級生)が学生に英会話やTOEFL 対策などを教えるスチューデント・ティーチャー制を大学内で初めての試みとして採用している。本稿では,その新しくユニークな試みについて,受講学生によるアンケート調査と教えている学生のインタビューを基に検証した。 アンケート結果分析では学生のST に対する認識として5つの因子を抽出し,更にその中から,学生の英語力実感に影響を与える2要因を特定した。5人のSTへのインタビューからは,レッスンを教え始めた動機や実際に教えてみた感想,今後について等ST 側からの視点も加え,教わる学生と教えるST 側双方向からの検証を試みている。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014全学教職課程の質保証に関する研究(2): 学生の平成24 年度の初年次プログラム前後における意識変容に着目して8289ENTomotakaMishimaHiroshiTakahataDaisukeGotoTsuyoshiKashidaEijiEgiKayokoSodaMasaruKaga10.18926/CTED/52292 岡山大学では,教師教育開発センターによる全学の教員養成教育の質保証に取り組んでいる。本学では,教育学部以外に在籍し,教員免許状の取得を志す学生(文学部,法学部,経済学部,理学部,工学部,農学部,環境理工学部,マッチングプログラムコース)を対象にした1年次の核になるプログラムとして「全学教職オリエンテーション」と「母校訪問」を設けている。本研究では,平成24年度にこれら2つのプログラムを受けた学生を対象にした事前事後によるアンケート調査結果に基づき,学生の意識変容を検討した。その結果,(1)教職志望度が上昇する傾向があるが,教員免許取得希望度や教員採用試験の受験意志は低下すること,(2)「教職観」に関する様々な意識が変容し,教職理解が深まるが,「4 つの力に対する自信」は部分的な変容であること,(3)「大学生活や将来への思い」に関して部分的であるがポジティブに変容していくこと,が主に示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014社会科授業における学力としての意欲の位置づけとその育成方法 : 社会改善をめざす意欲の向上を目標とする授業実践の分析を通して7281ENJunkiKoyamaToshinoriKuwabara10.18926/CTED/52291 本研究は,社会科授業において到達目標である学力としての意欲がいかに位置づけられているか,そして,いかにそれを育成しようとしているかを,具体的な授業実践の分析を通して明らかにしようとするものである。分析の方法は,従来の社会科教育研究でよく用いられてきた演繹的なものではなく,帰納的な方法を採用した。それは,意欲の育成をめざしている授業実践を取り出して,それをできる限り授業者の意図にそって分析し,そこに見られる意欲育成の原理と方法を明らかにするというものである。
本研究では,社会の改善に寄与しようとする意欲の向上をめざした授業実践を事例とし,歴史教育者協議会に所属する小堀俊夫が実践した「国民から見た戦後」という単元を取りあげ分析・評価した。分析の結果,民衆の立場からの歴史教育を行うことで,社会改善に貢献したいという意欲を向上させていたことが明らかになった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014信頼関係の構築を促進する保育所保育士の保護者支援6371ENAyakoNakahiraNorikoBabaToshiyukiTakahashi10.18926/CTED/52290 近年,核家族化やひとり親家庭の増加など,家庭の在り方は多様化している。家庭の在り方の変容を整理し,保育現場での保護者との関わりや対応について,事例を基に考察する。さらに,経験年数別における保育士のコミュニケーション能力について考察すると共に,保護者との信頼関係の構築を促進する保育士の望ましい保護者支援について考察する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014開かれた思想形成をめざす中等社会科の学習原理 : ホルト社会科第9学年 「比較政治システム」の概念探求過程に着目して4655ENKentaShigenobuToshinoriKuwabara10.18926/CTED/52288 本研究は,アメリカ合衆国で1960年頃に開発された中等社会科教材ホルト社会科カリキュラムの分析から,概念探求学習の論理を解明するものである。概念探求学習の典型として,本研究では第9学年「比較政治システム」に着目し分析を行った。その結果,この教材は,当時の最新科学とされた比較政治学の成果を取り入れながらも,生徒が自らの社会と他の社会の政治制度を比較し,最終的には価値判断を通して概念を再構成させていることが明らかとなった。政治制度の比較を通してその背後にある価値を捉えさせるという学習原理は,概念探求過程が社会諸科学の成果としての理論・法則の獲得に留まるものではないことを示している。それは,むしろ概念を活用しながら,将来の社会のあり方を構想していく学習となっているのである。本研究によって,中等社会科を科学的な社会認識形成をふまえた開かれた思想形成をめざすものとして構想する手がかりを示すことができた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014社会問題学習としての実践的態度形成 ―アメリカ中等後期カリキュラムユニット 『変化する世界の論争問題』を手がかりとして―3645ENKazunariYokogawaToshinoriKuwabara10.18926/CTED/52287 本研究は,実践的態度形成を目指した社会問題学習のあり方をアメリカ中等後期段階のカリキュラム『変化する世界の論争問題』を手掛かりとして明らかにすることを目的としている。社会問題学習はこれまでも様々な学習論が提案されており,その有効性が示されてきた。しかし,社会問題を扱った学習は,教師による価値注入・態度形成に陥る可能性がある。本研究では,社会問題学習に関するこの課題を克服し,学習者自身の実践的態度形成を促す社会問題学習のあり方を,米国の優れた社会科教材の分析を通して明らかにした。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014ドイツ語圏の後期中等普通教育段階における物理教育2635ENKenjiTanakaKeitaTanaka10.18926/CTED/52286 後期中等普通教育段階における物理教育を,ドイツ語圏(スイスドイツ語圏,リヒテンシュタイン,オーストリア,ドイツ)全体として,とりまとめてきた。後期中等普通教育段階である大学入学(通算13学年目)直前の4年間ないし2年間,ギムナジウムないしその終わりの教育段階において,教科物理が複数準備されている。履修単位数の幅は,2年間で0から4年間で14に達する。目標は,階層別に言及したり,3区分ないし5区分されている。内容は,指示の仕方,その区分数など,構成が様々であり,現代物理の量子論,相対論や宇宙物理を扱ったり,いわゆる非線形物理学で物理の学習を終える場合もある。結局,多様性を特徴とし,幅が広く,深いといってよいだろう。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014校長の認識にみる教育の情報化の現状と課題1625ENMakikoKanagawaMasayukiFukumotoTakashiYonezawaHidehiroSuwa10.18926/CTED/52285 本稿の目的は,校長を対象とした調査研究を通じて,教育の情報化の現状と課題に関する校長の認識を把握し,教育の情報化の推進に寄与しうる基礎的知見を得ることである。そのために,具体的には以下の点について検討した。① ICT の利用に関する現任校や自身の現状に対する校長の認識,②学校全体としてICT の活用を進めていくための改善の必要性に対する校長の認識,③ ICT の利用に関する現状認識の差異による改善の必要性に関する認識の差異,④教育の情報化を進めたり,ICT を活用したりするなかで,当初予想していなかった成果・効果,⑤教育の情報化を進めたり,ICT を活用したりするなかで,当初予想していなかった課題・問題。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014岡山大学におけるスクールボランティア事業の取組と課題 : 学生の意識調査の結果から615ENDaisukeSatohFumioYamaneEijiEgiKayokoSoda10.18926/CTED/52284 岡山大学教師教育開発センターでは,学生が学校園等で教育活動支援を行うスクールボランティア事業に岡山県教育委員会や岡山市教育委員会等と連携し取り組んでいる。本学では「スクールボランティアビューロー」が調整役として学生に対して様々な支援を行っている。本論ではまず,スクールボランティア事業の取り組みについて概観し,現状課題として,手続き・情報発信におけるウェブサイト活用,学校園ニーズと学生シーズのマッチング支援,ボランティア登録学生に対するサポートの3点について指摘する。さらに,これらについて,平成25年度実施したスクールボランティア説明会に参加した学生に意識調査を実施した。その結果,ウェブサイトの活用について肯定的にとらえている一方で,マッチング支援や個に応じた学生サポートの必要性を強く感じていることが分かった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014インクルーシブ教育に対する高等学校教員の自己効力感 : 特別支援教育コーディネーターを対象とした質問紙調査の分析15ENMunehisaYoshitoshi10.18926/CTED/52283 本研究の目的は,高等学校教員のインクルーシブ教育に対する自己効力感を調査し,その実態と課題を明らかにすることである。2013年2月下旬,発達障害関係の研修会に参加した高等学校の特別支援教育コーディネーター(59 名)を対象に,「インクルーシブ教育に対する教員効力感尺度」(TEIP) を実施した。その結果,インクルーシブ教育に対する高等学校教員の自己効力感は必ずしも高い水準にはなかった。とくにインクルーシブ教育に関する動向の理解,個のニーズに対応するためのアセスメントや指導計画といった新たな教育課題の把握や支援方法に関する準備が十分ではないと感じられていた。昨今の国際的な動向をふまえ,多様な教育的ニーズのある生徒を柔軟に支えることのできる組織的な学校体制を早急に整え,教員が自己効力感をもって教育実践に取り組むための教員養成段階からの計画的で継続的な研修機会が必要となっていることを指摘した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015養護教育実践研究における大学院生の学び : 研究的視点を持って保健室経営に参画するために164171ENSakieHoshinoAkemiKattaKeikoNakamuraHiroeHondaIkumiFurukawaHirokoKamimuraHokumaMunakata10.18926/CTED/53247 「発達支援研究特論Ⅴ(養護教育実践研究)」は,大学で学んだ理論を学校現場で実証し,養護実践研究を行う
能力を身に付けることを目標にした授業科目である。大学院生3名の附属小・中学校における取組と課題の検討
を通じて,学びと保健室経営への参画について考察した。その結果,大学院生は異なる事例の検討を通じて,様々
な角度から課題を発見し,その対策を示すことができた。また,事例検討の過程で,自分自身が一定の役割を果
たすこと,より広い視野を持つ必要性,一人の養護教諭としての自覚をより強く持つ必要があること等に気付く
ことができた。大学教員の課題として,養護実践のふりかえりの頻度を増やし,よりきめ細かくフィードバック
すること等が挙げられた。このような取組は養護教諭としての資質能力の向上に有用であると考えられた。今後
は大学院生が自覚的,主体的に養護実践に取り組み,学びを検討し,共有する機会の充実が求められる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015障害のある子どもの教育内容の決定過程における親の過失を認定した裁判事例 : Horen v. Toledo School District の検討157163ENMunehisaYoshitoshiAyakaTakahashiMizuhoKageyama10.18926/CTED/53246 アメリカ合衆国においては,障害者教育改善法(IDEA)に基づいて,障害のある子どもの教育的な決定に関
する親の参加が保障されている。一方で,その具体的な運用にあたっては,親と学校との対立が生み出されており,
訴訟に発展するケースもみられている。本稿は,IDEA によって保護されている親の権利をめぐって,親の過失
を認定したオハイオ州北部地区連邦地方裁判所による判決(Horen v. Toledo School District., 113 LPR 48072 (N.D.
Ohio 2013))を中心にとりあげ,とくに個別教育計画の立案ミーティングにおける親の参加の観点から,対立の
構造と論点を整理した。連邦地方裁判所は親と学校区とのやりとりの分析から,「これ以上露骨な参加の拒否は
容易に想像できない」と述べ,学校区からの働きかけに対して「やめてくれ」と拒絶した親の責任を全面的に認
定した。最後に,本裁判の結果をふまえ,今後における親と学校との協力体制の重要性を指摘した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015出生前診断に関する大学生の意識調査149156ENRieMurakami(Yokouchi)MunehisaYoshitoshi10.18926/CTED/53245 本研究では,出生前診断に対する大学生の意識を明らかにすることを目的とした。大学生74 名を対象に,出
生前診断を積極的に行っていくことや,自分自身が受けることに対する意識,関連する知識などについての調査
を行った。その結果,「出生前診断を積極的に行っていくこと」については,「どちらとも言えない」と回答した
者が多く,生前診断のメリット,デメリットを理解した上でこのように回答した者が多いことが示された。一方,
「自分(またはパートナー)が出生前診断を受けること」については,賛成と回答した者が多く,診断に対する
関心の高さが伺えた。「出生前診断の結果に基づいて人工的中絶を行うこと」については,反対と回答した者が
多く,「命の選別をすることになるから」などの意見が見られた。「出生前診断に関する知識」については,検査
の実施方法や検査後について自身の知識が不十分であると認識している者が多いことが明らかとなった。最後に,
今後の実施をめぐる課題について論じた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015養護教諭が推進する組織的で継続可能な小学校の喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育プログラムの開発と実践139148ENYoshikoUenoTakaeNishimuraSayuriHosakaMasaeYamamotoRieAkasakaAyumiArimatuHarueFujiiMakotoYuguchiKanakoTorigoeMarikaOonishiYumikoNanbaAyakoMoriHiroeWashidaKeikoNishimotoYukoHinoTomokoMatumotoTomokoIshiharaMarikoTodoKumikoYamamotoNatukiSadamoriNaoYamagamiKanakoOkamotoHiromiMatsuoShizukaKobayashiKanakoHayashiNozomiMizushimaKen-ichiSekiyamaTakashiFukushimaHirokoKamimuraKayoTakahashi10.18926/CTED/53244 学校における喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育の充実には,問題行動が顕在化する中学校期だけでなく小学校期
における指導の推進が重要であり,系統的な指導計画を立て,指導者や時間の確保,教材作成などに組織的に取
組み,継続可能なプログラム開発を行う必要がある。そこで,地区内12 校の養護教諭が協働して,発達段階に応
じた系統的・組織的かつ継続可能な地区共通の指導計画を開発し,各校の教育課程・年間計画に位置付けた実践
研究を行った。その結果,指導計画の実施状況は,小学校11 校中,学級活動10 校,ミニ保健指導10 校,長期
休業前指導6 校,広報活動9 校となり,特別支援学校1 校では広報活動のみを行うことができた。小学校におけ
る喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育の推進には,学校保健活動の中核的役割を担う養護教諭が専門性を活かし協働
して,系統的な指導計画を各校の教育課程に位置付け組織的で継続可能なプログラムとする取組が有効であった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015教育実習における附属学校園養護教諭の取組 : 学校保健活動を遂行する教員を養成するために129138ENMioKamikawaHiroeHondaAkieKitaharaIkumiFurukawaHirokoKamimuraTakehikoItoYoshihisaSuminoYukariMimura10.18926/CTED/53243 子どもの多様な健康課題に対応して,学校における安全・安心な環境の確保や子どもの心身の健康を守り,は
ぐくむことのできる体制構築が求められる今日,教育実習等においては,実習生を学校保健に対する関心・理解
を高め,子どもの健康・安全な学校生活を考慮した教育活動を展開できる教員として育成することが重要となる。
そこで,教育実習等の機会に附属学校園養護教諭が,学校保健活動を遂行できる教員養成を目的とした講義・演
習を実施した。その結果,実習生は学校保健に対する認識を高めることができた。附属学校園養護教諭が教員養
成に積極的に参画することは,学校保健活動を遂行できる教員養成に果たす役割が大きいといえる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015教職志望学生の指導のあり方(7): 教職相談室の利用の実態から121128ENKiyoshiOgawaMikioButoSeitaroKobayashi10.18926/CTED/53242 教職相談室では,主に教職志望の学生を対象に,教員採用試験に向けての指導を中心とした様々な相談活動を
行っている。今年度は次の2 点について更なる指導体制の充実が図られた。1 点目は月曜から金曜まで常時2 人
体制での指導が可能となったということである。2 点目は教職相談室の利用を促す「教職ガイダンス」を新たに
開催したということである。これらの結果,年間利用延べ人数が995 人増加した。また昨年度までと同様に,教
員採用試験に最終合格した学生とそれ以外の学生では,教職相談室の利用回数に大きな差が見られた。採用試験
に合格した学生の教職相談室の平均利用回数は23.1 回であったのに対して,1 次試験のみ合格の学生は11.5 回,
合格しなかった学生は4.7 回であった。更に,教員採用試験を受験する前年の早い時期に利用開始した学生ほど
合格率が高くなる傾向にあった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015「2014年度教師力養成講座」の概要 : 実践的指導力を有する教師の育成のために111120ENMikioButoKiyoshiOgawaSeitaroKobayashi10.18926/CTED/53241 本年度の「教師力養成講座」は,7回の開催を計画した。8月末までに4回,12~2月に3回を実施する。
本講座は,学校現場で今日的な課題に対して実践されている優れた取り組みを学生に伝えることで,学校現場へ
出ることへの不安を取り除き教師という仕事への意欲を高めるとともに,学生の実践的指導力の向上を図ること
をねらいとしている。平成21年に開始し,参加状況や受講者の意見を参考にしてテーマ設定や講師選定などに
工夫を加えながら,今年で6年目を迎えている。本年度実施している教師力養成講座の概要を報告し,併せて「教
師力養成講座」の運営上の課題と今後の展開についてもふれる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015マトリクス・メソッドの機能を生かした授業実践 : 自主協同学習による集団作りを基盤とした中学校社会科の指導101110ENShigeoFujieda10.18926/CTED/53240 本論は,社会的事象を立場と領域というマトリクス構造から考察して課題解決に迫る「マトリクス・メソッド」
という思考ツールを活用した授業展開と,高旗1 の提唱する「自主協同学習の理論」の実践を同時に行った中学
校社会科の実践報告である。
実践の結果,マトリクス・メソッドの持つ二つの機能,つまり事象を多面的・多角的に帰納的に分析する「帰
納的機能」と,意見の根拠の裏付けとなる情報収集をグループで配分し学習過程の協同化を実現する「配分的機能」
を生かした授業の有効性が明らかになった。また,自主協同学習の理論の実践の分析から,マトリクス・メソッ
ドの有効性を担保する集団形成の要因として,コミュニケーションに関する因子とともに学級自治に関する因子
が存在することが明らかになった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015小中高一貫有権者教育プログラム開発の方法(1):「選挙」をテーマとする小学校社会科の単元の開発を通して93100ENToshinoriKuwabaraBunzoKudoKenjiTanahashiReioYatabeShigekiKoyamaKotaroYoshimuraSusumuOshiharaTadamichiNagataYasuhiroHashimotoTatsuyaWatanabe10.18926/CTED/53239 本研究は,市民社会に寄与し得る有権者の育成を目指し,児童・生徒の発達段階に応じた有権者教育のあり方
を追究して,小学校から高等学校までの12 年間を一貫する原理にもとづいた有権者教育プログラム開発のため
の原理と方法を解明しようとするものである。そのために,第一に,子どもたちの政治に対する認識調査を行い,
子どもたちが政治的な概念についてどのような認識を持っており,それを教育によってどの程度まで変容させる
ことができるかを明らかにした。そして,第二に,その調査の結果と従来の政治教育研究の成果をふまえて,有
権者教育のための小中高一貫カリキュラム・フレームワークを提示した。それに基づいて,第三に,具体的な単
元開発を行った。単元は,「選挙」,「議会」,「税金」という政治学の基本的概念をテーマとして取り上げて開発
したが,本稿では「選挙」概念をテーマとして開発した小学校社会科の単元を紹介する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015幼稚園教育における人的つながりを支える親支援の方向性8392ENYoshikoMushiakeOsamuNishiyamaToshiyukiTakahashi10.18926/CTED/53238 本論は,幼稚園教育における親支援の方向性を探ることを目的とする。幼稚園1年間(全5回)の「親の会」
を分析したところ,両極的感情と2つの不安を抱える親達は,「安心」「感覚」「ゆとり」を共有する人的つなが
りを基盤とし,子育てを肯定的に捉えられることが明らかになった。親の興味や欲求に基づく環境を構成し,主
体性に働きかける援助をする親支援は,幼稚園教育における子育て支援として有効であることが示唆される。課
題は,親の主体性に働きかける環境を構成し,援助する支援者の専門性の確立である。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015音楽による幼児の表現活動の意義と保育者の援助に関する研究 ― 人とかかわる力を育むために ―7382ENKanaNakagawaMikaKatayama10.18926/CTED/53237 音楽は,園生活の中で領域「表現」の活動の一つとして取り入れられているが,活動の在り方は様々である。
本研究では,園生活における観察から,幼児の自発的な音楽を介した表現の実態を明らかにすることを試みた。
その結果,幼児が自分の感情や状況を歌詞になぞらえたりして,自発的に音楽を介した表現を行う姿が見られた。
音楽を介した表現によって,自他の感情調整の役割を果たすことが明らかになった。また,歌詞に合わせた身体
表現は,未熟な言語力を補完する役割を担っていた。共通に知っている歌は表現したい意図や,感情を共有する
際の媒体となって,幼児間のコミュニケーションを円滑にする役割も担っていることが示された。
幼児の自発的な表現を引き出すためには,保育者が音楽技術の習得を目指した指導的なかかわりをするのでは
なく,音楽を介した自己表現として肯定的に受け止め,応答する援助が欠かせないことが明らかにされた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015小学校理科における授業改善の試み : 児童の学習を支援する教材と授業構成6272ENMitsuhiroYamasaki10.18926/CTED/53236 現行の小学校学習指導要領(平成20 年3 月)に改訂された当時,教育内容に関する主な改善事項の一つに理
数教育の充実が挙げられていた。しかし,小学校では,理科の学習指導に苦手意識をもつ教員の割合の高さが指
摘されており,理科教育を充実させるためには,こうした教育現場の状況を踏まえた授業の見直しが必要である。
自然や科学に関する専門的な知識や,観察・実験に関する知識・技能の向上によって,理科の学習指導に対する
苦手意識を克服しようとすることは,特定の学年や教科を担当することが少ないという小学校教員の置かれた立
場を考えると,あまり現実的ではない。本稿では,第6学年の指導内容「植物の養分と水の通り道」を取り上げ,
児童の学習を支援する教材と授業構成を教育現場の状況を踏まえて工夫・検討し,授業改善の試みの一つとして
実践することで,理科の学習指導を見直す手がかりを探りたいと考えた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015岡山県の中学校における合唱活動に関する考察5261ENAkikoTakahashiMasakoMushiaki10.18926/CTED/53235 本研究は,岡山県の中学校教育における合唱活動の現状と,その課題点を明らかにすることを目的とする。そ
のために,学習指導要領の分析,合唱連盟の加盟団体数及びNHK 全国学校音楽コンクールへの参加校数の他県
との比較,県内中学校の音楽科教員へのインタビュー調査を行った。その結果,①岡山県は合唱指導を得意とす
る教員が少なく,音楽の授業や合唱・歌唱指導の内容に差が生じていること②指導者不足により,合唱部の活動
が衰退していること③現場の教員は生徒指導に多くの時間を割かなければならず,授業や部活動に力を入れにく
いことが明らかになった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015保育所保育における複数担任制の利点と問題点4451ENAyakoNakahiraNorikoBabaToshiyukiTakahashi10.18926/CTED/53234 保育所では,「児童福祉施設最低基準」に基づき,子どもの年齢と人数によって保育士の配置が決まっている。
本論では,保育所保育士から聞き取り調査を行い,3歳以上児保育の複数担任制の利点と問題点について,職員
間の連携を現状を踏まえながら検討した。その結果,複数担任制は,安全面の確保,保育の充実,保育の幅が広
がる等の利点があること,「連携」「共通理解」「話し合い」等は利点である一方,問題点になる場合もあること
が明らかとなった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015学校全体における積極的行動介入および支援の動向と実際 : イリノイ州 District15 公立中学校における取り組みを中心に3543ENKazunoriEdahiroYasunariMatsuyama10.18926/CTED/53233 近年,生徒指導・教育相談において,「包括的な学校生徒指導・教育相談アプローチ(Complihensive School
Counseling and Guidance Approach;以下,CSCGA)」が注目されている。その一環として,「学校全体に
おける積極的行動介入および支援(School-Wide Positive Behavioral Interventions and Supports,;以下,
SWPBIS)」があげられる。しかしながら, School-Wide すなわち,学校全体としてPBIS に着目した臨床実践報
告は少ない。そこで本稿では,School-Wide すなわち,学校全体としてPBIS(SWPBIS)について,先駆的に
実践しているアメリカイリノイ州の公立中学校(District15)の取り組みに着目し,SWPBIS の動向と実際につ
いて報告した。そして,日本における生徒指導および教育相談における,SWPBIS の展開に向けた検討材料を示
唆した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-1323520153年次教育実習に関する学生の意識の検討 ―平成25 年度受講生アンケートの結果から―2634ENAkitakaNakayaTomotakaMishimaHiroshiTakahataShuuichiInadaDaisukeGoto10.18926/CTED/53232 本研究の目的は,岡山大学教育学部で行われている3 年次の教育実習(主免実習)に関する学生の意識を検討
することであった。そのために,平成25 年度の受講生アンケートより小学校教育コース,中学校教育コースの
学生のデータを分析した。そして,実習前の実習生の実習に向けた取り組みや不安感,実習の充実度,実習前後
の教職志向性の変容,教育実践力を構成する4 つの力について着目した。その結果,(1)実習生の実習に対す
る不安は全体的に高く,特に授業に関する不安が高いが,指導教員や実習生との関係に関しての不安は低いこと,
(2)実習の充実度が高いこと,(3)実習の充実度に関わらず教職への魅力感は実習前後で高まるが,教職志望
度や教員採用試験受験意志は実習の充実度が高い学生が高まること,(4)実習の充実度が高い学生はそうでな
い学生に比べ4 つの力のうち「学習指導力」を除く力において部分的に自己評価が高いこと,が主に示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015全学教職課程における「教職実践演習への取組」(3) ―平成25 年度受講生アンケート結果による検討―1925ENTomotakaMishimaTsuyoshiKashidaHiroshiTakahataShuuichiInadaDaisukeGotoEijiEgiKayokoSodaFumioYamaneMasaruKagaShigenobuTakatsuka10.18926/CTED/53231 岡山大学では,教師教育開発センターによる全学の教員養成教育の質保証に取り組んでいる。本研究では,平
成25 年度に本格実施された全学教職実践演習に着目し,その成果と課題を検討する。なお,本学の全学教職実
践演習は「オリエンテーション」「学習指導力に係る省察」「模擬授業演習」「現代的教育課題に係る省察」「まとめ」
の5 つから構成され,本学の重要視する4 つの力(「学習指導力」「生徒指導力」「コーディネート力」「マネジメ
ント力」)をバランスよく育むことを企図している。そして,本格実施された教職実践演習について,学生に実
施したアンケート調査結果を分析対象とし,成果と課題を検討した。その結果,学生の多くが教職実践演習の効
果を比較的高く認知していることや,教育実践力を構成する4 つの力の多くの力が教職実践演習を通して高まっ
ていること,などの成果が主に示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015保育経験年数からみた気付き体験の特徴918ENMitsuhoYoshidaMikaKatayamaToshiyukiTakahashiOsamuNishiyama10.18926/CTED/53230 保育者が自らの保育の中で経験してきたことから,何に気付き,記憶し,どう活かしてきたかは,保育の質と
保育者としての成長に影響する。本論は,保育者が自伝的記憶として,何を気付き体験として捉え,記憶してい
るかを調査し,保育経験年数によるその特徴を分析する。具体的には,保育者に,何に対して気付きを得たか等
について自由記述を求め107 名分のデータを得た。経験年数により,初任保育者,中堅保育者,熟練保育者に分け,
それぞれの気付き体験の特徴を明らかにした結果,どの経験年数の保育者も同様に「保育者の姿勢」に関する気
付き体験が最も多く,続いて「子どもの心的状態や行動」に関するものが多かった。また,中堅,熟練保育者に
なると,表面に表れない子どもの思いへの気付きが多くなっていることが明らかになった。さらに,熟練保育者は,
「保護者と保育者のつながり」「子どもと保育環境」等,園生活全体に気付き体験を広げていることが示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015スクールボランティアへの学生による主体的参加を促す新たな取り組みと考察18ENDaisukeSatohFumioYamaneEijiEgiKayokoSodaHiroyukiKondohDaisukeGotoh10.18926/CTED/53229 教員養成における学校現場での実践的・体験的活動が昨今一層求められている。教育再生実行会議での提言
や中央教育審議会での報告でも,採用前の学生の学校現場でのボランティア活動を推奨している。こうした中,
2013 年度の岡山大学におけるスクールボランティア活動の登録者数が大幅に減少した。要因としては学校現場
でのインターンシップ活動が必修化された点が大きいが,インターンシップとボランティアの長短を学生は理解
し参加していく必要がある。こうした社会的要請や大学における課題などを踏まえ,スクールボランティアビュー
ローに新たに「学生スタッフ制度」を設けた。学生の立場から,スクールボランティア活動を多面的に支援し,
関連事業の企画・参画・連携を学生と教職員が協働して実施するものである。最初の取り組みとして,2014 年4
月には「スクールボランティアフェア2014」を開催した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016中学校の職場体験学習のためのSSTプログラムの実践160169ENKazukiMatsuuraMotokoMiyake10.18926/CTED/54032 職場体験学習の効果をより高めるための一つの方法として,事前に対人スキルやコミュニケーションスキルを身に付けるための学習を行っておくことが必要であると考え,職場体験学習の事前学習において,3回のソーシャルスキルトレーニングと異年齢交流活動を実施した。事前学習が始まる前の職場体験学習に対する期待と不安を変量としたケースのクラスタ分析により,3つのクラスタが得られた。第1クラスタは期待が低く,不安は中程度あるクラスタと考えられる(n=21)。第2クラスタは期待が高く,不安が低いクラスタと考えられる(n=20)。第3クラスタは期待と不安の双方が高いクラスタと考えられ,全体の約半数がこのクラスタに属していた(n=41)。ソーシャルスキルトレーニングの実践を通して,第3クラスタの不安の減少が有意にみられた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016コミュニティ・スクールにおける協働に関する考察 ―御南中学校区地域協働学校の実践と社会関係資本理論の接点から―150159ENShigeoFujieda10.18926/CTED/54031 日本大学によるコミュニティ・スクールに関する全国的な調査によると,その指定により生徒指導の課題が解決したと明言した校長はわずか4.7%にすぎないという実態がある。しかし,実践の中には生徒指導上の問題的な状況を大きく改善した岡山市立御南中学校区のような事例もある。この実践の成功要因としては,学校長による地域への積極的なアクセス行動,学校と地域における互恵的な関係の重視などがあげられるが,そこには社会関係資本理論とのいくつかの接点が見いだされる。本実践報告は,平成24年度から27年度までの4年間,御南中学校区地域協働学校の設立と運営に事務局担当者及び学校運営協議会委員として関わった立場から,学校と地域の協働における実践知と社会関係資本の理論における接点の考察を通じて,生徒指導上の課題の解決に有効に機能するコミュニティ・スクールにおけるマネジメントのポイントを提示しようとするものである。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016学生との協働によるスクールボランティア推進支援に関する 実践的考察140149ENDaisukeSatohFumioYamaneEijiEgiKayokoSodaHiroyukiKondohDaisukeGotoh10.18926/CTED/54030 2013年10月よりスクールボランティアビューローに「学生スタッフ制度」を新たに設け,活動開始後2年が経過した。その間,学生スタッフと大学教職員が協働し,スクールボランティアフェアの開催,スクールボランティア活動事例集の作成・編集・発行と各教育委員会等への配布,スクールボランティアツアーの実施等様々な学生目線のスクールボランティア推進支援事業に取り組んできた。それぞれの事業では,学生スタッフが学生らしい工夫を随所に凝らしており,企画・準備から実施・反省に至るまで多大な尽力・努力をした。これらの活動を通して,スクールボランティア活動に参加しようと思っている学生やなかなか一歩が踏み出せない学生に対する啓発活動として大変効果的な事業であったことは成果と言えるが,学生の参加減少や学生への周知の難しさ,また,学生スタッフのなり手不足や大学教職員からの学生への働きかけの重要性など課題も残っている。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016教職志望学生の指導のあり方(8) ―教職相談室の利用の実態から―133139ENSatomiKochiMikioButoSeitaroKobayashi10.18926/CTED/54029 教職相談室では,主に教職志望の学生を対象に教員採用試験に向けた指導を中心とした様々な相談活動を行っている。そして,相談活動全般を通して,教師としての自覚や情熱を高めたり教育観を形成したりすることに力を注いでいる。今年度は,相談室の利用希望者が多い5月から8月までの間,三人体制の日を週に2回設けることで相談の枠を増やし,指導体制の充実を図ることができた。その結果,4月から11月までの利用者数が,過去最高だった昨年度を上回るとともに,これまで予約がとれず「見学」として対応せざるをえなかった相談の質が大幅に改善された。
学生の利用状況を見ると,これまでと同様に,教員採用試験に最終合格した学生とそれ以外の学生とでは,教職相談室の利用回数・利用開始月に大きな差が見られた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016「2015年度教師力養成講座」の概要 ―実践的指導力を有する教師の育成のために―123132ENMikioButoSatomiKochSeitaroKobayashi10.18926/CTED/54028 本年度の「教師力養成講座」は,昨年と同様に7回の開催を計画した。8月末までに4回,12~2月に3回を実施する。本講座は,学校現場で今日的な課題に対して実践されている優れた取組を学生に伝えることで,学校現場へ出ることへの不安を取り除き教師という仕事への意欲を高めるとともに,学生の実践的指導力の向上を図ることをねらいとしている。平成21年に開始し,参加状況や受講者の意見を参考にしてテーマ設定や講師選定などに工夫を加えながら,今年で7年目になる。本年度実施している教師力養成講座の概要を報告し,併せて「教師力養成講座」の今後の展開の可能性についてもふれる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016家庭科保育領域における触れ合い体験学習の意義と課題113122ENEtsukoKandoMikaKatayamatoshiyukiTakahashiOsamuNishiyama10.18926/CTED/54027 現在,中学・高等学校の家庭科保育領域では,乳幼児の心身の発達,幼児の生活と遊び,親・家庭・地域の役割などについて学習を行った上で,乳幼児等との触れ合い体験学習を位置付けている。この触れ合い体験学習は,近年,家庭や地域において異世代の子どもが触れ合う機会が減り,とりわけ乳幼児と触れ合う経験が少ないまま親世代になっていることが問題になっていることと関係している。限られた枠の中での交流ではあるが,中学生・高校生も幼児も,多様な他者と触れ合い,多くのことを感じたり考えたりしていることが明らかにされており,世代間交流における意義も見出すことができる。本論では,先ず,家庭科における触れ合い体験の位置付けと家庭科保育領域の歴史的経緯を明らかにする。次に,乳幼児との触れ合い体験に関わる近年の実践的研究を概観し,その意義を確認する。さらに,これらを総合し,これからの触れ合い体験学習の実践や研究の展望を示す。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016中学校の道徳教育において 〈いのち〉の教育をどのように実践するか(1)106112ENMichiruWatanabe10.18926/CTED/54026 阪神淡路大震災と東日本大震災では,多くの大人だけでなく,多くの子どもたちが犠牲となった。改めて「命の教育」の重要性が指摘されている。また,青少年,特に10代の若者による殺傷事件やいじめによる自殺も後を絶たない現状にある。一方,2019(平成31)年度から中学校の「道徳の時間」は「特別の教科 道徳」という名称の教科となる。その理由は様々であるが,教育再生実行会議の第一次提言によれば,同会議が教科化提言に踏み切った直接の要因は,いじめ問題への実効性のある道徳教育を求めることにあった。しかし,学校の道徳教育や「命の教育」は役に立たないという指摘もあり,教科となった道徳科における道徳教育は,これまでの諸課題を確実に見直し,確たる実践的基盤を打ち立てなければならない。本稿(1)では,理論と実践の両面から「〈いのち〉の教育」という独自の観点を設定して,「命の教育」の新しい在り方と「道徳科の道徳授業」の新しい展開を提案したい。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016理科学習で科学的思考力を育成するために必要な条件に関する研究97105ENShinyaKanetaKousakuKawasakiYoshihikoInada10.18926/CTED/54025 これからの時代に必要とされる「科学的思考力」を育成するために,先行研究を分析することで科学的思考力を構成する6つの要素を抽出した。これらの要素の中で,現状の学校教育で育成が不十分な要素を教員養成学部の学生の予備的調査から抽出した結果,特に,批判的思考力の育成が十分でないことが明らかになった。初等中等教育の理科で科学的思考力を育成することを目指して,批判的思考力の育成に有効だと期待される仕掛けについて考察し,提案する。批判的思考力の情意面に存在する,児童・生徒が持つ心理的障壁を低くする仕掛けが重要な役割を果たすと考えられる。建設的な批判的思考力がもたらす価値や利益を児童・生徒が実感するプロセスが大切だと思われる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016小学校理科における授業改善の試み : 観察・実験を支援する教材と活動の工夫8796ENMitsuhiroYamasaki10.18926/CTED/54024 次期学習指導要領の改訂に向けて,新しい教育の方向性が検討されるようになった。小学校理科においては,これまでにも児童の主体的な問題解決の過程を重視してきたという歴史があり,着目されているアクティブ・ラーニングの考え方が,理科の学習指導にどのように影響を与えるかが注目される。理科の授業で,問題解決の過程を充実したものにするためには,基本となる問題解決への取り組み方とともに,扱う自然の事物・現象や指導内容がもつ固有の課題を解決していく必要がある。本稿では,第4学年の指導内容「水の状態変化」を取り上げ,問題解決の手段としての観察・実験のあり方を教育現場の状況を踏まえて検討し,学習指導を困難にしている課題を明らかにするとともに,観察・実験を支援する教材と活動を課題の解決につながるよう具体的に工夫し,それらを授業改善の試みの一つとして提案する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016情緒の安定に課題のある自閉症児童に対する自立活動の指導の効果 : 個別指導計画と保護者の意識調査からの検討7786ENHiroshiOnoroAkitakaNakaya10.18926/CTED/54023 本研究では,情緒の安定に課題のある自閉症児に対して自立活動の観点から指導を行い,指導内容や指導の展開について検討した。指導内容は,情緒の安定,意図の表出,自分自身や周囲の状況,他者の意図の理解などとし,指導の効果測定として,学校での行動観察と保護者からの聞き取り及び連絡帳の記述を用いた。指導の結果,本人の感じる困難さへの配慮によって情緒が安定したことで,周囲の友達や教師に積極的にかかわったり,他者の働き掛けを受け入れたりすることができるようになった。さらに,授業をはじめとする活動に関心を示し,積極的に取り組もうとする姿も見られるようになった。これらの結果から,本人の障害特性や困難さに配慮した情緒の安定を図る取り組みの優先度は高く,人へのかかわりをはじめとする様々な活動への積極姿勢を引き出す基盤になることが示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016小学校全学年での心理教育“ サクセスフル・セルフ” の 実践に対する学級担任の評価6776ENYumikoOkazakiMikayoAndo10.18926/CTED/54022 本研究では,心理教育“ サクセスフル・セルフ” の2011年度から2014年度に全学年で行った実践への実践学級担任からの評価を分析し,実践のあり方を検討することを目的とした。養護教諭が学級担任のサポートのもと行った実践に対する学級担任評価は,概ね良好であった。感想を分析したところ,全学年に共通して「充実した授業」「実践に対する工夫のアドバイス」に関する記述が多く見られ,実践への評価は概ね肯定的であった。一方,「児童実態と授業内容のギャップ」に関する記述が全学年に共通して見られ,“ サクセスフル・セルフ”の今後の実践では,“ サクセスフル・セルフ” のレッスンの主題・目的からはずれないということを考慮しながら,児童の実態に合わせて改善することで,実践がより充実することが示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016PBIS(Positive Behavioral Interventions and Supports) の第1層支援(Tire1)に関する研究の概観と展望5966ENKazunoriEdahiroYasunariMatsuyama10.18926/CTED/54021 本研究は,日本におけるPBIS の第1層支援の開発のために,アメリカのPBS およびPBIS についての研究をレビューしたものである。アメリカにおける PBIS の第1層支援を紹介した。特別支援教育の分野において,PBISの第1層支援の効果が検証されている。本稿では,特に, The Praise Game, Praise Student Frequently,Rewards, Simple Reward Systems, & Incentives, Behavior Management Pocket Chart, Model AppropriateLanguage, Assign a Buddy or Partnerを中心に取り上げた。これらを踏まえて,日本における, PBIS の第1層支援の導入にかかわる展望を示した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016自閉症スペクトラム障害のある子どものストレッチ時における 姿勢の改善に関するビデオセルフモデリングの効果4958ENYoshimasaMatsushitaYoshihisaOhtake10.18926/CTED/54020 本研究では,自閉症スペクトラム障害のある生徒に対して,ストレッチ時の姿勢改善のためにビデオセルフモデリング(VSM)による指導を実施し,その効果を検証した。実験デザインとしては,ストレッチを構成する4つの姿勢(「伸展」「前屈」「捻転」「側屈」)間の多層ベースラインデザインを用いた。さらに,「伸展」については反転デザインを合わせて用いた。その結果,「伸展」と「前屈」で,VSM 導入直後の行動変容が確認された。また,「伸展」では,VSM の導入と除去,再導入のいずれにおいても行動変容が確認された。「捻転」については,VSM のみでは行動変容が確認されず,リハーサルと視覚的明示を追加する中で初めて行動変容が確認された。「側屈」では,それらの方略を加えても行動に変容が見られなかった。標的行動間でVSMの効果に差が認められたことについて,日常生活におけるこれら4種類の体操姿勢の使用頻度の違いの視点で考察された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016自伝的記憶としての気付き体験による保育者の変容過程3848ENMitsuhoYoshidaToshiyukiTakahashiOsamuNishiyama10.18926/CTED/54019 本論は,保育者の内的な気付きの変容と,それに伴う保育実践の変容を合わせて保育者の変容と捉え,その変容過程を探ることを目的とした。具体的には,中堅保育者の自伝的記憶としての気付き体験の語りを収集し,質的分析を行った。保育者の気付きは,「保護者等から知る自らの保育の課題」「子どもの様子」「繰り返しの体験」「自らの保育観」「上司,同僚の存在」が契機になることが明らかになった。さらに,気付きの契機で,保育者自身が「いけない・どうしよう」「こうしたい」「嬉しい・良かった」「こうあらねば」の意識を持ち,それが起因となり,気付きが広がり深まるという変容が起こる。その気付きの変容により保育実践の変容が促されることが見出された。以上の結果から,気付きの契機とそれに伴う保育者の思いに焦点化した働きかけにより,保育者の変容を図る可能性が示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016わが国の通常の学校における特別支援教育に関する判例動向 : インクルーシブ教育への示唆3137ENMikakoIkeuchiSakiTsujiMasumiNishinoKyokoMINAMIMiharuYoshimitsuMunehisaYoshitoshi10.18926/CTED/54018本稿では,わが国における特別支援教育システムの構築に示唆的な近時の裁判例を要約し,新たな動向を把握することを試みた。具体的には,特別支援教育をめぐる裁判のなかでも,①通常の学校における特別支援教育の問題を争点に含むもの,②過去10年間(2005年以降)に判決が下されたもの,を条件として5つの裁判例を抽出した。それらの裁判における主な経緯や争点の評釈から,通常の学校における特別支援教育が推進されるとともに,多様な教育課題が誘発されており,新たな争点も生じていることが明らかとなった。すなわち,情報開示の範囲,就学先の決定,教員の専門性,学校の情報共有体制といった実践的課題が提起されており,障害のある児童生徒および保護者の権利を重視する判断が示されてきた。「障害者の権利に関する条約」の批准をふまえ,インクルーシブ教育の実現に向けた特別支援教育システムのいっそうの発展が望まれる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016事例から見る望ましい保護者支援の在り方と保育士間の連携2130ENAyakoNakahiraNorikoBabaKeikoTakeuchiToshiyukiTakahashi10.18926/CTED/54017 子どもの健やかな成長と発達のためには,保育士と保護者が円滑な関係にあることが望ましい。経験年数の短い若手保育士と中堅・熟練保育士では,保護者対応に違いはあるのだろうか。本論では,経験年数別に保護者対応について聴き取り調査を行った。さらに,中堅・熟練保育士自身が若手保育士だった頃の振り返りから,現在の保護者対応を比較し検討した。その結果,保護者対応には経験の蓄積と先輩保育士の助言・指導等が必要であることが分かった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016若手保育者が有する保護者支援の特徴に関する探索的研究 : 保育者養成校における教授内容の検討に生かすために1120ENMikaKatayama10.18926/CTED/54016 本研究では,近年,就学前の教育・保育において重視されている保護者への支援について,保育経験5年未満の若手保育者37名(幼稚園教諭:18名,保育所保育士19名)を対象に,幼稚園や保育所における保護者支援の目標,困難感の実態や,重視していること等について調査した。KJ法を用いて整理したところ,所属や経験年数によらず,多様な支援が見いだされ,とくに送迎時の会話を重視しており,園と家庭の連続性を大切にしながら発達や個々に直面する課題に応じて,保育者間の連携の下に支援していることが明らかになった。発達につまずきのある子どもをもつ保護者への支援に困難感が生じていたが、保護者との相互理解や信頼関係の構築を重視していることも確認された。今後の学習ニーズとしては,課題を持つ子どもの保護者や,保護者自身が課題を持つ際の支援法が挙げられた。養成校では入職後の自己をイメージ化しながら、理論知を固めることの重要性が示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016道徳教科化に向けた今後の新しい教師教育と学校教育の在り方に関する考察 : 総合単元的な道徳授業カリキュラムから考える真の道徳教育の検証110ENKiyohiroSakudaYoshikazuNakayama10.18926/CTED/54015 文部科学省が実施する道徳教科化に向け,今日の学校教育において,道徳教育が必要とされている理由と今後の在り方について検討した。その際に,これまでに実施されてきた総合単元的な道徳教育による「学校教育活動全体として」の視点が強化された学校教育の在り方に加え,さらなる地域,家庭等と連携した綿密な道徳教育の在り方を必要とする。
本研究では,これらを踏まえた図式化をもとに,評価方法等の道徳教科化における効果と課題について考察分析した。その結果,道徳教科化により,道徳への意識が強調され,各個人への意識付けである道徳的価値意識が高まりやすくなることが示唆された。 また,学校教育における自然・空間・人間環境づくりの重要性と「善く生きる」ための道徳教育に向けた教師教育の在り方について明らかにした。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017出生前診断に関する大学生の意識および知識に関する調査193202ENRieMurakamiDivision of Special Education, Faculty of Education Okayama UniversityMunehisaYoshitoshiDivision of Special Education, Faculty of Education Okayama UniversityAkitakaNakayaDivision of Special Education, Faculty of Education Okayama University10.18926/CTED/54945 本研究では、出生前診断に対する大学生の意識および知識に関する動向を明らかにすることを目的とした。大学生171名を対象に、出生前診断を積極的に行っていくことや、自分自身が受けることに対する意識、関連する知識などについての調査を行った。その結果、意識に関する質問では「積極的実施」「自身の受検」「中絶実施」において、知識に関する質問では「意義理解」「メリット/デメリットの理解」「目的理解」「情報の把握」において、「どちらともいえない」と回答した者が多かった。このことから、出生前診断は割り切ることのできない感情的葛藤をともなう問題であると同時に、対象者らは判断する情報を持っていないためにこのように回答したのではないかと思われ、自身の考えを深めたり、正しい知識に基づいた選択を促したりするために、教育が重要であることが示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017ICT を活用した模擬保健指導における能動的学修の取り組み : 実践的指導力の育成をめざした授業の開発と改善167174ENAkiKanoFaculty of Nursing, Seisen UniversityKayoTakahashiKurashiki Sakuyo UniversityHirokoKamimuraGraduate School of Education, Okayama UniversityHokumaMunakataGraduate School of Education, Okayama University10.18926/CTED/54944 養護教諭の職務の重要な柱である保健指導の実践的指導力を育成するために,養成段階においても能動的学修を推進する必要がある。そこで教職科目「教育方法論」において,ICT を活用した能動的学修として模擬保健指導に取り組んだ。授業では,子どもの実態や健康課題に基づいて指導案を作成し保健指導の設計・実施・評価を一連の流れとしたグループ活動を展開した。平成25 年度から平成27 年度の3 年間の授業開発・改善の結果,「非常に到達目標を達成できた」とする学生は,平成25 年度の18.2%から平成27 年度は26.7%に増加した。「授業目標や内容が非常に理解できた」のは31.8%から60%,「教材が授業内容の理解や自宅学習に非常に役立った」のは40.9%から60%,2時間以上予習や課題にかける学生も18.2%から40%に増加した.保健指導の実践的指導力を育成し効果的な授業を可能とするためには,模擬保健指導をICT を活用した能動的学修にすることは有効といえる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017「2016年度教師力養成講座」の概要 : 実践的指導力を有する教師の育成のために183192ENMikioButoCenter for Teacher Education and Development, Okayama UniversitySatomiKochiCenter for Teacher Education and Development, Okayama UniversityShintaroKobayashiCenter for Teacher Education and Development, Okayama University10.18926/CTED/54943 教師力養成講座は、学校現場で実践されている優れた取組を学生に伝えることで、教職への漠然とした不安を取り除き教師という仕事への意欲を高めるとともに、学生の実践的指導力の向上を図ることをねらいとしている。2009年に開始し、参加状況や受講者の意見を参考にして工夫を加えながら継続している。講座は、当初の講義形式から、受講者と共に学習を進めるという形へ変わってきた。講師選定についても、校長を中心にしたものから児童生徒を直接指導している教諭を含むように改善してきた。本年度の教師力養成講座の概要を報告し、併せて今後の展開の可能性についてもふれる。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017全学教職課程における「教職論」の取組 : 学習内容の確実な定着と教師としての実践的な資質・能力の育成を目指して175182ENShintaroKobayashiCenter for Teacher Education and Development, Okayama UniversityTakujiHashimotoCenter for Teacher Education and Development, Okayama UniversityHiroshiTakahataCenter for Teacher Education and Development, Okayama UniversityShuuichiInadaCenter for Teacher Education and Development, Okayama UniversityTomotakaMishimaCenter for Teacher Education and Development, Okayama UniversityKayokoSodaFormer Center for Teacher Education and Development, Okayama UniversityEijiEgiFormer Center for Teacher Education and Development, Okayama University10.18926/CTED/54942 全学教職コア・カリキュラムの入門科目に位置付けられている「教職論」の授業については,継続的にその内容や手法に関して改善が図られてきた。平成28 年度についても,過去5年間の取組の成果を踏まえながら,特に次の4つの視点から改善内容を模索し,より実践的で参加型の授業になるように工夫をした。①全学で導入された「60 分授業・4 学期制」に対応し,その利点を生かす。②ワークシートの活用により,個々の受講生が個人で思考する時間を確保する。③ペア学習・グループ学習の時間を設定し,可能な限りアクティブ・ラーニングを導入する。④様々な課題の解決を目指して学校現場で実際に行われている取組を出来るだけ多く紹介する。これらの改善により,学習意欲の向上と学習内容の確実な定着を図った。その結果,受講終了時に実施したアンケート調査では,多くの受講生から授業の意義について肯定的な評価が得られた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017冬の気候と季節感の違いに注目した大学での学際的授業の開発 : ドイツと日本列島付近とを比較して157166ENKuranoshinKatoGraduate School of Education, Okayama UniversityHarukoKatoFaculty of Education, Gufu Shotoku Gakuen UniversityKazuoOtaniTV Setouchi Broadcasting Co., LTDTatsuyaHamakiBoard of Education, Okayama-cityYuichiHagaChayamachi Primary School10.18926/CTED/54941 中高緯度における季節サイクルの多様性や日々の変動に伴う季節の中の幅にも注目して,ドイツ付近での冬の追い出しの行事「ファスナハト」を題材に学際的授業を開発し,大学での教科横断的授業の中での実践結果を検討した。授業では,「ドイツではなぜ冬を追い出さずにはいられないのか」を気候データからイメージして,それを音楽で表現する活動(ファスナハトのオリジナル作品の創作)を行なった。ドイツの冬の厳しさは,平均気温が低いだけでなく,日々の変動が大きい中での極端な低温日の頻出にも特徴づけられていた。音楽での表現活動では,気候データの把握とファスナハトの行事の映像の視聴等により,その行事の存在の意義を考えることが出来た。更に,それらを踏まえた創作と演奏により,日本と比較したドイツ付近の季節の特徴や移り変わりの何に自分が注目しているのかを学生自身が再認識して,気候やそこに住む人々の感じ方を想像する機会となった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017小学校理科における授業改善の試み : 学習指導の課題と改善に向けての視点147156ENMitsuhiroYamasakiCenter for Teacher Education and Development, Okayama University10.18926/CTED/54940 次期学習指導要領の改訂に向けて,「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(平成28年12月21日 中央教育審議会)で,新しい教育の方向性が示された。今後,この中で求められた各教科等の特質に応じた学習活動の改善,単元等のまとまりを見通した学びの実現,各教科等における「見方・考え方」を軸とした授業改善の工夫などについての様々な提案がなされ,授業の改善・充実への取組が始まることが予想される。本稿では,小学校第6学年の指導内容「てこの規則性」を取り上げ,これまで提案してきた教材や活動内容が位置付けられた授業を中心に,教材や活動内容がどのように扱われ,授業がどのように展開されたかを振り返り,そこから見えた課題をこれからの理科の授業の在り方を踏まえて整理するとともに,授業改善の試みの視点として提案する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017大学のアクティブラーニング型授業に対応した ユニバーサルデザイン環境に関する一考察137146ENShinHaradaInstitute for education and student services, Okayama UniversityKazunoriEdahiroInstitute for education and student services, Okayama University10.18926/CTED/54939 近年,大学教育の中で演習形式を含むアクティブラーニング型授業が増加している。この授業形態は,多くの学生の主体的・能動的な学修を促進する上で有効である一方,自閉症スペクトラム障がい(ASD)の学生をはじめコミュニケーションを苦手とする学生が授業に参加する上での大きな障壁ともなり得る。本稿では,演習形式の授業への参加に困難を持つであろうASD の学生や,それに準ずるコミュニケーションの苦手な学生への支援を考慮した,大学教育のユニバーサルデザイン環境について,先行文献を概観しながら考察した。その中で,授業外における支援として,シラバス記載の配慮,演習形式を練習する機会の提供,ファシリテーターの養成について述べると共に,授業内における支援として,具体化・明確化,見通しを持たせる配慮,視覚支援,感覚過敏への対応等について述べ,代替課題への置き換えについても言及した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017全国学力テストの調査結果における県間比較(2)127136ENTakuOjima10.18926/CTED/54938本稿は、2016(平成28)年に文部科学省が実施した「全国学力・学習状況調査」(メインタイトルを含め、以下本稿では、全国学力テストと略記)の結果のうち、テスト受験者の解答した児童質問紙および教員(多くの場合は管理職)が解答した学校質問紙の結果を検討し、学力向上を目指す取組の評価のもととなるデータの整理を主な目的としている。具体的には、 年間の学力調査において結果が常に上位を占める秋田県の結果を、学力向上を中心的な行政課題と位置づけてきた岡山県の結果と比較した。この結果、7年前に拙論で指摘された課題と全国的な分析および教科外の取組といった三つの範疇に属する項目において、二つの県では顕著な違いが見られた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017日本の大学における教養外国語科目としての韓国語教育 : 学習者への調査結果をもと117126ENJinnyPark-Craig10.18926/CTED/54937 本稿は、日本の大学での韓国語学習者のニーズを把握し、どのような授業形態と教育が彼らの学習意欲を向上させ、さらに彼らの学習目標の達成に貢献できるのかを把握することを目的とし、岡山県内の大学の教養外国語科目としての韓国語学習者のアンケート調査の結果をもとに、日本の韓国語教育の問題を明らかにすると同時に、今後の韓国語教育をより向上させるための方向性を提示した。方向性の提示では、韓流コンテンツの活用、eラーニングの導入及び活用が学習意欲の向上に寄与するものと示し、また授業以外の学習時間の活用と、言語と文化の同時教育という面から韓流コンテンツは不可欠であることを明らかにした。韓国語教育は、学習者の要望に応える教育方法の研究と教育カリキュラムの確立、また教養外国語教育としての特性に合った教科書の開発と学習者の目標達成が可能となるカリキュラムの確立が必要であることを主張した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017事例から見た乳児の「泣き」に対する保育士の理解と対応107116ENKaoriKiyonagaMikaKatayama10.18926/CTED/54936 本研究では,0歳児クラスにおける保育実践場面の観察事例から,乳児の「泣き」の実態と「泣き」に対する保育士の理解と対応について検討した。収集した 事例をもとに「泣き」が生じた背景について検討したところ,5種類に分類された。生理的状態や他者との関係を含む心理的状態,時間帯等によって「泣き」が生じていることがわかった。保育士は,「泣き」を生じさせた負の心情を全面的に受け止めて共感するとともに,正の心情への改善に努めることが子どもと信頼関係を築く機会にもなっていると捉えていた。さらに,信頼関係が深まってくると負の心理的状態を子ども自身が主体的に制御しようとする姿が見られるようになることに加えて,「泣き」の質の変容が認められることが明らかになった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017教職課程履修学生の生徒指導イメージに関する研究97106ENTomotakaMishima10.18926/CTED/54935 本研究の目的は教職課程履修学生の生徒指導イメージの検討,並びに授業イメージとの関連の検討であった。研究1 ではメタファー法に基づき,学生を対象に生徒指導イメージを調査し,12 のカテゴリーが得られた。最も記述者が多いカテゴリーは「間違いを正す」「将来への方向づけ」であった。研究2 では,研究1 を基に生徒指導イメージを測定する尺度を作成すると共に,授業イメージとの関連について検討した。調査の結果,(1)生徒指導イメージは「指導の難しさ」「一方的な指導」「個に応じたきめ細かな指導」「間違いを正す」「やりがい」「将来への方向づけ」「指導の不十分さ」「人間としての基礎・土台作り」,の8 因子であること,(2)生徒指導イメージの各因子得点を基にグループ分けを行った結果3 グループに分類でき,生徒指導イメージが不明確と考えられるグループが授業イメージの「組み立て」「楽しさ」「臨機応変」「不透明」の得点が低いこと,などが示唆された。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017学校教職員の不祥事と対策について : 発生促進と抑止要因に注目して9196ENGraduate School of Education, Okayama University10.18926/CTED/54934 学校教職員の不祥事が社会的に問題になっており,各地の教育委員会は防止対策に追われている。ひとことで不祥事と言うが,誰でも起こしうる<うっかり>の連続線上に位置づけられる事案から,通常なら考えられないような<特異性の高い>事案まで,実態は多様である。本稿では,不祥事の種類や頻度,すでに行われている防止策について概観した上で,さらに有効な対策を講じるために,発生を促進する要因や抑止する要因について検討した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017全学教職課程における「教職実践演習の取組」 : 60分授業・4学期制を柱に体系的に学べる講義づくりを目指して8190ENShuuichiInadaCenter for Teacher Education and Development, Okayama UniversityHiroshiTakahataCenter for Teacher Education and Development, Okayama UniversityTomotakaMishimaCenter for Teacher Education and Development, Okayama UniversitySeitaroKobayashiCenter for Teacher Education and Development, Okayama UniversityTakujiHashimotoCenter for Teacher Education and Development, Okayama UniversityYasuyoshiImaiCenter for Teacher Education and Development, Okayama UniversityMasaruKagaGraduate School of Education,Okayama UniversityFumioYamaneFormer Center for Teacher Education and Development,Okayama UniversityKayokoSodaFormer Center for Teacher Education and Development,Okayama UniversityEijiEgiFormer Center for Teacher Education and Development,Okayama UniversityDaisukeGotoKawasaki University of Medical WelfareShigenobuTakatsukaCenter for Teacher Education and Development, Okayama University10.18926/CTED/54933 岡山大学における全学教職実践演習については,平成25年度の本格実施から,7課程認定学部(独自で開講する教育学部を除く)と教師教育開発センターが協働して取り組んでいる。平成28年度から岡山大学では,国立の総合大学全学部実施としては全国初となる「60分授業・4学期制」が導入された。この教育改革では,単純に現状の講義内容をそのまま詰め込むものではなく,教育方法・指導の改善を一層進め,体系的に学べる構造にする講義づくりが求められている。そこで,最初に学生の進路状況や取得見込みの教員免許状の現状を確認した。次に,教育実践力を構成する力がバランスよく形成されているか,4年生前半期に取り組んだ教育実習と全学教職実践演習後のアンケート結果をもとにその効果を検証した。これに基づいて,平成28年度以降の「60分授業・4学期制」に対応した内容を構築した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017ソーシャルナラティブ(SN)介入の効果に影響を及ぼす条件の検討 : コミュニケーションスキル及び社会的スキルを中心に7180ENTakayukiTanjiGraduate School of Education, Okayama UniversityMiharuYoshimitsuGraduate Student, Graduate School of Education, Okayama University10.18926/CTED/54932 本研究は,諸外国のソーシャルナラティブ(SN)介入研究論文14 編35 事例を分析対象とし,コミュニケーションスキルや社会的スキルの介入効果に影響を与える条件を検討した。本研究の結果から,以下4 点の示唆を得た。1 点目は,認知能力が平均下から平均上の発達水準の対象児が多い点である。2 点目は,標的行動はコミュニケーションスキル(例:会話)に比べて,社会的スキル(例:集団参加,ルールやマナーを守る)において介入効果が高い点である。3 点目は,SN と他の介入方略(例:プロンプト,ビデオモデリング等)を組み合わせることで効果が高まる点である。4 点目は,対象児の好み,社会的動機づけ,標的行動の社会的強化が介入効果を高める要因になり得る点である。最後に,他者との対話や振り返りによる学びや本人の語りを反映させたSN 介入の必要性,自己指導文や空欄文の活用,体験と学習の関連づけを高めることの可能性について論じた。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017情緒の安定に課題のある自閉症児への自己理解に基づく自立活動 : 自己制御機能に着目した指導記録の分析6170ENThe University of Hiroshima Bunka GakuenAkitakaNakayaGraduate School of Education,Okayama University10.18926/CTED/54931No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017カリキュラム改善における園外の保育経験者による評価導入の試み5160ENNorikoBabaFaculty of Childhood Education, Kurashiki Sakuyo UniversityMarikoShimizuFaculty of Childhood Education, Kurashiki Sakuyo UniversityFusakoIyamaFaculty of Childhood Education, Kurashiki Sakuyo UniversityKayokoKataokaFaculty of Childhood Education, Kurashiki Sakuyo UniversityHirokoKoyanoDepartment of Music, Sakuyo Junior College of MusicShigekoShiragamiDepartment of Music, Sakuyo Junior College of MusicYumikoHiramatsuFaculty of Childhood Education, Kurashiki Sakuyo UniversitySachikoHachiyaOsamuNishiyamaGraduate School of Education, Okayama University10.18926/CTED/54930 本論は,保育現場における園のカリキュラム・マネジメントを活性化させるために,園外の保育経験者にカリキュラムの外部評価を依頼し,その評価内容と一連の評価方法について検討するものである。具体的には,地方政令市にあるA 保育園のカリキュラムを取り上げ,保育所保育士経験者及び幼稚園教諭経験者によって構成させる7名の外部評価者から,カリキュラムの評価を得た。その結果,外部評価者の勤務経験の違いを反映した,幅広い観点から,カリキュラムの評価できる点や問題点を確認することができた。カリキュラム改善の観点としては,「表記・表現の統一と分かりやすい様式の採用」「園の独自性や子どもの実態に即した計画の作成」「保健計画の作成」「PDCA サイクルによる再編成」「職員間での確認」の項目を明示することができた。カリキュラム改善の一方策として,保育経験者による外部評価に一定の有効性を確認した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017幼児の園への適応とその支援に関する文献展望4150ENMinan PreschoolFaculty of Human Sciences, Toyo Eiwa UniversityGraduate School of Education, Okayama UniversityOsamuNishiyamaGraduate School of Education, Okayama University10.18926/CTED/54929 近年、入園などに伴う子どもの移行期が注目され、新しい環境への適応とその支援は、保育・教育現場の重要な課題となっている。幼稚園等は、幼児同士が初めて集団生活を経験する場としての役割を担い、園に適応し安定した生活を送ることは、その後の1人1人の発達の基盤となる。そこで本論では、幼児の園への適応支援の在り方を検討するために、まず、幼児期における適応の定義を明確化することを試みた。また、保育・教育領域における適応を捉える視点を整理した。次に、これらを踏まえ、幼児の園への適応支援における保育者の役割を中心に検討を加えた。さらに、現行の『幼稚園教育要領』等における適応に関する記述を確認した。その結果、幼児の園への適応の中核は「幼児の心理的な安定」と「幼児と環境との適切な関係構築」と捉えることができ、その支援に関わる保育者の役割が明示された。最後に、研究方法の課題等を整理し、今後の研究展望を示した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017教員養成課程における福祉教育の視点から考える 道徳授業づくりの検討 : ハンディキャップのある人の教材化に関する道徳性分析から3140ENFormer Okayama University graduate school pedagogy postgraduate course technological assistance oneWaseda University institute of teacher educationYoshikazuNakayamaOkayama University whole school education and student support organization10.18926/CTED/54928 本研究では,教職志願者の大学生を対象とし,ハンディキャップをもつ人の生き方から自己を見つめると共に,将来希望する校種における道徳授業づくりについて検討した。授業を検討する際に,福祉教育の観点を視野に入れ指導案を作成し,中心場面,プレゼンテーションソフトの活用等を含め,道徳性を高める授業づくりについて考察した。
研究にあたり,実際に各自で作成した道徳授業づくりを交流することで,福祉教育の視点から考える道徳授業づくりに必要な道徳的価値,道徳性を高める上で重要である中心場面等が明らかとなった。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017地域協働による教科横断的な学びに関する考察 : 活動理論による学校に内在する「壁」へのアプローチ2130ENShigeoFujiedaGraduate School of Education, Okayama University10.18926/CTED/54927 本研究は、全国的に体制整備が進みつつあるコミュニティ・スクールをフィールドとして、次期学習指導要領で重要視される教科横断的な学びの阻害要因とその解消のための方策について検討する。その際、「文化・歴史的活動理論」をもとに、小学校、中学校、地域それぞれに内在する「文化による枠組み」を、改善に対する「壁」としてとらえ、それを越えていくために校区の小学校、中学校、地域が、それぞれの活動システムを地域協働学校という活動システムへと再構成する実践モデルを構築する。さらに、そのモデルをもとに、地域の題材を小学校、中学校、地域の三者協働で教材化していくプロセスを通じた新しい地域協働による教科横断的な学びの場を創造するための校区連携プロジェクトを提案する。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017中学校の道徳教育において〈いのち〉の教育を どのように実践するか(2)1120ENMichiruWatanabeHiroshima Bunka Gakuen UniversityMarikoKokayashiGraduate School of Education, Okayama University10.18926/CTED/54926 阪神・淡路大震災と東日本大震災では,大人だけでなく,多くの子どもたちが犠牲となった。改めて「命の教育」の重要性が指摘されている。また,青少年,特に中学生による殺傷事件やいじめによる自殺も後を絶たない現状にある。一方,2019(平成31)年度から中学校の「道徳の時間」は「特別の教科 道徳」という名称の教科となる。その理由は様々であるが,教育再生実行会議の第一次提言によれば,同会議が教科化提言に踏み切った直接の要因は,いじめ問題への実効性のある道徳教育を求めることにあった。しかし,学校の道徳教育や「命の教育」は役に立たないという指摘もあり,教科となった道徳科における道徳教育は,これまでの諸課題を確実に見直し,確たる実践的基盤を打ち立てなければならない。本稿(2)では,前号の(1)で論じた〈いのち〉とその教育に関する独自の観点によりながら,「〈いのち〉の教育」に取り組む「道徳科の授業」の新しい展開を提案したい。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017現代の社会教育における「いのちのつながり」に関する 道徳性への追求 : 今日のいのちの道徳教育を考える110ENKiyohiroSakudaWaseda University institute of teacher educationHirofumiHaseDepartment of school education, Kushiro Campus, Hokkaido University of EducationYoshikazuNakayamaOkayama University whole school education and student support organization10.18926/CTED/54925 日本国憲法の施行と民主化に伴い,戦後の日本における学校教育において道徳教育の在り方も大きく変容した。しかし,親子関係,人間関係が原因とする学生たちの自死,不登校,いじめ,非行等の諸問題が後を絶たない。これらを解決するため,戦後の諸問題増加の背景にある今日の社会全般の道徳教育の在り方について検討した。諸問題に関わる大きな要因としては,大学生による「道徳性」におけるアンケート調査結果から「祖先を敬う」ことへの希薄化が明らかとなった。具体的には,祖先をはじめとする人とのつながりに関する道徳性の衰退が重要な課題であることが分かった。こうした課題を受け,親子関係に関する事例,先人からの伝統文化に関するインタビューを元にし,親子関係,家族関係,社会における命のつながりについて考察するとともに,具体的な社会及び学校教育における「真の道徳性」の在り方と必要性について示唆した。No potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017岡山大学教師教育開発センター紀要 第7号 全文 (一括ダウンロード用) ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017裏表紙・英文目次 ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017奥付ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017平成28年度 岡山大学教師教育開発センターの活動状況の概要 ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132372017表紙・目次ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016裏表紙・英文目次ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016奥付ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016平成27 年度 岡山大学教師教育開発センターの活動状況の概要ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016表紙・目次ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132362016岡山大学教師教育開発センター紀要 第6号 全文 (一括ダウンロード用)ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015裏表紙・英文目次ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015奥付ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015平成26 年度 岡山大学教師教育開発センターの活動状況の概要ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015表紙・目次ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132352015岡山大学教師教育開発センター紀要 第5号 全文 (一括ダウンロード用)ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.岡山大学教師教育開発センターActa Medica Okayama2186-132342014裏表紙・英文目次ENNo potential conflict of interest relevant to this article was reported.